佐世保・世知原の妻殺害 夫(75)に懲役15年求刑 長崎地裁裁判員裁判

 同居の妻=当時(74)=を殺害したとして、殺人の罪に問われた長崎県佐世保市世知原町栗迎、無職の男性被告(75)の裁判員裁判の論告求刑公判が22日、長崎地裁(太田寅彦裁判長)であり、検察側は懲役15年を求刑した。判決は26日。
 検察側は論告で、男性被告は殺傷能力の高い凶器を首に突き刺したとして「犯行態様は極めて危険。殺意は強固」と指摘。妻が寝たきり状態になったのは事件5日前で「介護疲れによる犯行ではない」とした。
 一方、弁護側は妻の介護や経済、健康両面への悩みから絶望した末の犯行と主張。犯行当時、適応障害や軽度認知障害の状態だった点を考慮すべきだとし、懲役3年の執行猶予付き判決が相当とした。
 起訴状によると、男性被告は3月13日未明、自宅で殺意を持って妻の首を刃体約20センチの刺し身包丁で1回突き刺して殺害したとされる。

© 株式会社長崎新聞社