ひとり親家庭にケーキ 活動広がる フードバンクさが取り組み3年目

「フードバンクさが」が贈ったクリスマスケーキを箱から取り出し、喜ぶ親子=昨年12月24日、佐賀市

 ひとり親家庭などにクリスマスケーキを贈る佐賀市のNPO法人「フードバンクさが」(干潟由美子理事長)の活動が広がりを見せている。3年目となる今回は、予定を大きく上回る282世帯が応募。経済的に厳しい環境にある家庭が増えていることが背景にあるとみられる。不足分は協力企業からの寄付で賄い、希望した全世帯が24日にケーキを受け取る。

 ひとり親家庭などを支援する7団体を通じて希望を募った。4団体と個人からの寄付金で用意できたケーキは昨年の配布数とほぼ同じ188個。ケーキの手配を依頼しているコンビニエンスストアを経営する「九電ネクスト」に相談し、「子どもたちの笑顔あふれるクリスマスを守り続けてほしい」と残り94個分の寄付の申し出があった。20日、佐賀市内で贈呈式が開かれた。

 フードバンクさがによると、最近はシングルマザーからの仕事や生活についての相談が増えており、担当者は「2~3千円のお金に困る人が目立つ。ダブルワークやトリプルワークをして睡眠時間を削っている人も多い」と話す。ひとり親家庭以外でも、留学生夫婦が生活に困窮し、その子どもが学校に通えないケースもあるという。こうした家庭にもケーキを贈っている。

 干潟理事長は贈呈式で「快く引き受けてくださり感謝しかない。ケーキを一緒にお届けするという思いを強く感じる」と同社の寄付に感謝し、「子どもたちの笑顔を全ての家庭にお届けしたい。クリスマスケーキは支援というより、サンタさんからの贈り物」と来年以降も活動を続けたい考えだ。(松尾綺子)

九電ネクストが経営するローソン九電佐賀ビル店の島内孝治店長(左)から目録を受け取る干潟由美子理事長=佐賀市の佐賀市民活動プラザ

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