輪島積雪51センチ、115世帯孤立続く 県内、峠越えるも突風注意 金沢33センチ、3人軽傷

動けなくなった車の周囲の雪をどかす人たち=23日午前8時10分、金沢市長土塀1丁目

 23日の石川県内は大雪の峠を越えたものの、冬型の気圧配置で前日に続き雪が降った。輪島市では115世帯で孤立が続き、22日深夜に「顕著な大雪に関する気象情報」が出された金沢市では、20~80代の男女3人が雪道で転倒するなどして軽傷を負った。午前11時時点の積雪は珠洲53センチ、輪島51センチ、金沢33センチなどで、金沢地方気象台は交通障害や突風に注意を呼び掛けている。

  ●金沢市、排雪場開設

 金沢市では22日午後10時までの6時間に21センチの降雪が観測された。市は23日朝に雪害対策本部を設置し、大桑橋詰犀川左岸、舘町、戸室新保、大豆田大橋詰犀川右岸の4カ所に排雪場を開設した。24日からは大河端町でも追加開設する。

 輪島市では倒木が道をふさぐなどして22日に孤立状態となった集落16カ所のうち、3カ所で孤立が解消された。珠洲市大谷町角間では4世帯7人が孤立状態となった。珠洲市は23日中に解消となる見込み。

 輪島市が開設した自主避難所3カ所に身を寄せていた7人は全員が帰宅した。穴水町では3人が自主避難所を離れ、別の1人が利用している。

 北陸電力送配電によると、午前10時時点で輪島市の約1080戸など県内の計2110戸が停電した。能登町の中斉・桐畑地区の計6世帯は停電のため断水し、町が中斉に給水袋を届けたほか、桐畑には近くの配水場に発電機を持ち込み、上水道を供給できるよう準備を進めた。

  ●スリップ事故119件

 国道や県道は、15路線18カ所が倒木などで通行止め、または片側交互通行となった。金沢市もりの里3丁目では23日午前1時30分ごろ、県道金沢・小松線が融雪装置の水がたまって冠水し、片側1車線が2時間20分通行止めとなった。県内では23日朝までにスリップが原因とみられる事故が119件発生し、2人が軽傷を負った。

 金沢市内では雪で車が動けなくなり、運転手らが周りの除雪に汗を流す光景が見られた。

 JR北陸線は、金沢―米原間の特急「しらさぎ」2本と普通列車4本が運休した。小松空港発着便は羽田便2便が欠航し、金沢市内を走る金沢ふらっとバスは迂回(うかい)ルートで運行した。

 気象台によると、24日の加賀地方は曇りで朝から昼前に雪か雨が降り、能登地方は雪か雨時々曇りで、昼前からは雷を伴う所がある見込み。24日午前6時までの24時間降雪量は、加賀、能登ともに平地10センチ、山地20センチを予想する。

  ●富山、福井でも事故

 富山県警によると、22日夕方から23日朝に県内で85件のスリップ事故が起き、3人が軽いけがをした。

 福井県では北陸自動車道や中部縦貫自動車道で約10件のスリップ事故が起きたが、けが人はなかったという。

重機を使い、雪で埋もれた道の除雪を進める住民=23日午前10時半、輪島市河井町

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