陸上で「世界」知る2人、田辺で練習 五輪メダリストのケンブリッジさんとアジア大会制した上山さん、和歌山

写真左は近畿大学の練習に参加するケンブリッジ飛鳥さん(中央)。写真右は上山紘輝さん(左)=いずれも22日、和歌山県田辺市上の山1丁目で

 2016年リオデジャネイロ五輪の陸上男子4×100メートルリレー銀メダリストのケンブリッジ飛鳥さん(30)=ナイキ=と、10月にあった杭州(中国)アジア大会の陸上男子200メートルを制した上山紘輝さん(24)=住友電工=が、和歌山県田辺市上の山1丁目の田辺スポーツパーク(SP)で練習を積んでいる。

 24年はパリ五輪の年。今季はけがに苦しんだケンブリッジさんは「自信を持って『五輪を目指す』と言えるよう頑張りたい」と決意を語った。世界選手権の舞台も経験した上山さんは「来年は五輪出場が目標になる。けがなく練習を重ねて力をつけていきたい」と話した。

 2人は、27日までの予定で合宿中の近畿大学陸上競技部の部員たちと汗を流している。ケンブリッジさんは、同部の短距離担当コーチで100メートルと200メートルの元日本記録保持者でもある井上悟さん(52)から誘いを受けて参加した。上山さんは同部出身で、田辺SPには何度か来ている。井上さんが専任コーチを務めているという。

 田辺SPは初めてというケンブリッジさんは「練習に集中できる環境がそろっている。新しいトレーニング施設ができると聞いているので、また来るかもしれない」と笑顔をみせた。「(学生と)集団で練習するのは懐かしい感じもするし、新鮮でもある」とも話した。

 国内の男子短距離は、100メートルで「10秒の壁」を破った選手が4人いることもあり、五輪代表争いに今後、注目が集まる。

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