【MLB】菊池雄星、進化の果てに手にした2ケタ勝利&規定投球回

写真:菊池雄星 ©︎Getty Images

今シーズン、先発として自己最多タイの32試合に登板し、11勝6敗、167.2イニング、防御率3.86の成績を残した菊池雄星。これまで幾度となく阻まれた2ケタ勝利&規定投球回を渡米5年でようやく手にした。

ルーキーイヤーの2019年、規定投球回(162イニング)にわずか1アウト届かず161.2イニングでシーズンを終了。また、前半戦で6勝4敗、防御率3.48と好調で自身初のオールスターに選出された2021年も、後半戦は1勝5敗、防御率5.98と大失速し、2ケタ勝利&規定投球回を逃していた。

さらに、昨シーズンは不振から中継ぎへの配置転換を経験し、渡米後ワーストのシーズンを送るなど、決して順調なメジャー生活ではなかった。

しかし、2つの進化が今シーズンの菊池の飛躍につながった。

1つ目が、四球数の改善だ。昨シーズン、メジャーの投手の中でもワーストクラスであった四球率(12.8%)が劇的に改善。今シーズンは、メジャー平均(8.4%)を下回る6.9%を記録した。四球数が減ったことにより、WHIP(投手が1イニングあたり何人の走者を出したか表す数値)はキャリアハイの1.27を記録した。

2つ目は、後半戦の安定感だ。短縮シーズンの2020年を除き、菊池は過去すべてのシーズンで後半戦に成績を落としていた。夏場以降の息切れを今シーズンは見事に改善させ、後半戦は14試合で4勝3敗、防御率3.39と安定した成績を残した。とくに前半戦で22本打たれていた本塁打を後半戦は5本に抑え、無駄な失点なく戦えたことが勝ち星とイニング数を伸ばした要因と言えるだろう。

2つの進化で大きな飛躍を遂げた菊池。自身初のポストシーズンでの登板も、大きな経験となった。来シーズンは、2年連続での2ケタ勝利&規定投球回達成に向けて活躍に期待したい。

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