輪島、依然97世帯孤立 大雪での停電、延べ1万4100戸

雪の重みで倒れた松の巨木=23日午後1時20分、輪島市里町の南志見住吉神社

  ●延べ1万4100戸停電

 23日の石川県内は大雪の峠を越えたものの、倒木が道路をふさぐなどした輪島市では97世帯(午後8時現在)の孤立が続いた。21日以降、県内の停電戸数は延べ約1万4100戸に上った。金沢市で6人、白山市で1人と計7人が雪道で転倒するなどして軽傷を負った。24日も大気の状態は不安定で、金沢地方気象台は落雷や突風に注意を呼び掛けた。

 23日午後8時までの最深積雪は白山河内79センチ、珠洲56センチ、輪島55センチ、加賀中津原54センチ、金沢39センチ、七尾31センチとなった。

 輪島市で22日に16カ所188世帯だった孤立は23日午後8時時点で12カ所97世帯となり、24日までに解消される見通し。市開設の自主避難所3カ所に身を寄せていた7人は23日帰宅。珠洲市大谷町角間の4世帯7人、津幡町大窪地区の2世帯5人も一時孤立した。

 23日午後5時時点で輪島市の約990戸など県内の計約1700戸が停電。能登町では停電で最大6世帯が断水した。

  ●金沢、白山で7人負傷

 金沢市内では80代の男女2人が雪道で転倒、20代女性が側溝に落ち、10代女性が雪道での自動車事故でけがをした。金沢市の70代と40代の男性、白山市の70代男性の計3人は除雪中に負傷した。

 輪島市里町の南志見住吉神社では境内にある巨大な松の木が根元から倒れた。金沢市南新保町では雪の重みで農業用パイプハウス1棟が全壊した。

 金沢市では22日午後10時までの6時間に21センチの降雪が観測された。市は23日、大桑橋詰犀川左岸、舘町、戸室新保、大豆田大橋詰犀川右岸の4カ所に排雪場を開設し、市民は除雪に追われた。排雪場は24日、大河端町に開設される。

 国道や県道は10路線14カ所が倒木などで通行止め、片側交互通行となった。23日朝までにスリップが原因とみられる事故が119件発生した。

  ●北陸新幹線最大2時間遅れ

 23日午前7時44分ごろ、北陸新幹線富山―黒部宇奈月温泉駅間で、雪の影響で信号トラブルが発生し、上り線で一時運転を見合わせた。上下線15本に最大2時間の遅れが生じ、約1万2千人に影響。JR北陸線は金沢―米原間の特急「しらさぎ」2本と普通列車4本が運休し、約600人に影響した。小松空港発着便は羽田便2便が欠航し、金沢市の金沢ふらっとバスは迂回(うかい)ルートで運行した。

  ●24日、雨の所も

 金沢地方気象台によると24日の県内は雪や雨で、昼前からは雷を伴う所がある。24日午後6時までの24時間降雪量はいずれも最大で加賀の平地2センチ、能登の平地3センチ、山地は加賀、能登ともに8センチを予想する。

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