第102回全国高校サッカー選手権(28日開幕)に3年ぶりに出場する遠野高サッカー部を、元日本代表でJリーグ平塚(現湘南)監督を務めた古前田充(こまえだみつる)さん(73)=盛岡市出身=が部活指導員として縁の下で支えている。1年生を中心に基礎をたたき込み、教え子が試合で活躍する姿に目を細める。
「試合と同じ感覚になれ」「(ボールの)持ち方、もらい方」。寒さの厳しい遠野市内のピッチに、よく通る声が響く。ボール回しやミニゲームに目を光らせ、的確なアドバイスで生徒の成長を促す。
ボールを止める、蹴る、コントロールするなど基礎練習が多いのは「頭でイメージしていても試合でできていないことは多い。だからしつこく、くどく、遅ればせながらでも基礎にウエートを置く」と信念を貫き、「日本代表につながればいいな。3年である程度の結果を出させてあげたい」とビジョンを描く。