国重文井上家住宅 入館1万人突破 3月から公開 節目の一家に記念品

記念品を受け取った田中さん(左)と家族

 約10年にわたる保存修理を経て今年3月から一般公開している国重要文化財「井上家住宅」(倉敷市本町)の入館者が24日、1万人を超え、節目の入館者となった会社員田中厚臣さん(40)=同市=一家に記念品が贈られた。

 田中さんは家族4人で訪問。第16代当主井上典彦さん(58)らから缶バッジやTシャツといったオリジナルグッズと花束を受け取り「とても驚いた。歴史を刻んだ建物を家族とじっくり楽しみたい」と話した。

 井上家は、江戸期に威勢を誇った大商人「古禄(ころく)十三家」の一つ。同住宅は同市美観地区に現存する最古の町家とされ、2012年から22年にかけ主屋や井戸蔵などを解体し、古材を再利用する形で復元した。

 井上さんは「公開から1年足らずで1万人の方が訪れてくれ、大変うれしい。今後も大切に管理し、次代に受け継ぎたい」と語った。

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