正月にちなんだ創作こけし作りが西川町大井沢の「菊摩呂こけし工房」で本格化している。作業場には来年の干支(えと)の辰(たつ)や鏡餅をイメージしたかわいらしい作品が並んでいる。
明治時代に地域の産業として木工品づくりが広まった。同工房は昭和末期から続き、現在は2代目の志田菊宏さん(64)と長女で3代目の楓さん(27)が制作している。創作こけしは高さ12センチ以下の手のひらサイズが多く、伝統にとらわれない形と鮮やかな色彩が特徴だ。
作業は1年乾燥させた県産のイタヤカエデをろくろで回しながら削った後にやすりで表面を整え、墨と顔料で表情や模様を描き入れて仕上げる。志田さんは「伝統を守りつつ時代に合った作品を世に送りたい。これを機にぜひ手に取ってほしい」と話した。制作は今月27日ごろまで続く。