渋野日向子で注目度アップ 山下美夢有も深く関わる「連続オーバーパーなし」記録

渋野日向子が2019年「日本女子プロ」で連続オーバーパーなしの記録を更新(撮影/大澤進二)

2023年シーズンの平均ストローク数で、女子ツアー史上初となる2年連続60台をマークした山下美夢有。60台のラウンドは全104.5ラウンドで52回に達し、2ラウンドに1度のペースでマークし続けたことになる。

シーズンを通して高確率でスコアを伸ばし、オーバーパーをたたかない2年連続女王のプレースタイル。そんな高いレベルでの安定感を裏付けるスタッツのひとつが、「オーバーパーなしの連続ラウンド数」だ。これには山下も密接に絡んでいる。

これまでショットやパットに関わる主要スタッツと比べてフォーカスされることの少なかった数字だが、関心を一気に高めたのが2019年の渋野日向子だった。

同年8月に海外メジャー「AIG全英女子オープン」で優勝し、当時ゴルフ界は渋野フィーバーの真っただ中。快挙から1カ月後の「日本女子プロゴルフ選手権」1Rを終えた国内ツアー連続オーバーパーなしのラウンドが「29」に達し、アン・ソンジュ(韓国)が2013年から1位を保持していた28連続を6年ぶりに更新した。これまで埋もれがちだったスタッツが、渋野が記録に絡んだことで掘り起こされたわけだ。

山下はこのスタッツに関し、自身初の平均ストローク60台を記録した2022年にアンと並ぶ歴代2位の28連続に到達。今季は6月「宮里藍 サントリーレディス」1Rから9月「日本女子オープン」1Rまでの間、プレーした43.5ラウンド連続でオーバーパーなしをマークした。ただし、8月「CATレディース」最終ラウンド前の体調不良による棄権を挟んでいるため、公式記録では現在も渋野の29連続が歴代1位となっている。

棄権を挟んだことで公式記録とならなかったが、山下美夢有の突出した安定感を示す数字だ(撮影/村上航)

なお、歴代4位は古江彩佳の27連続(2021年)。5位は吉田弓美子の24連続(2014年)、6位は穴井詩(2014年)、申ジエ(韓国/2009年)、フォン・シャンシャン(中国/2013年)の23連続と続く。

ちなみに、米国男子ツアー最多タイの82勝を誇るタイガー・ウッズは、2000年5月から翌年1月にかけて同ツアー歴代1位となる52ラウンド連続を記録。また、米シニアツアー(チャンピオンズツアー)では今年6月、スティーブ・ストリッカーが55ラウンド連続を達成し、現地では“ウッズ超え”と報じられた。

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