勝利の神へ、祈りは絵馬に 村山の熊野居合両神社・望む声多く、奉納可能に

熊野居合両神社で奉納できるようになった絵馬=村山市・同神社

 村山市林崎にあり「勝利の神」として知られる熊野居合両神社(奥山高由宮司)で、絵馬が奉納できるようになった。同市出身で居合道の始祖林崎甚助重信を祭り、国内外から参拝者が訪れるが、手軽に願いを託せる物がなく、絵馬を望む声があった。氏子たちは「スポーツなどの大会や受験に臨む人たちに、願いを書き込んでもらう場になればうれしい」と期待する。

 村山市史などによると、同神社は1877(明治10)年、熊野神社と居合神社を合祀して創建された。剣術関係の参拝者が多く、全国各地のさまざまな流派の代表者らが扁額(へんがく)を奉納している。隣接する居合振武館は居合道の体験道場になっており、同神社にはインバウンド(訪日客)も含め年間約3万人が訪れているという。

 参拝者の多くは居合道の精神に学ぼうと社前で手を合わせるが、その場で願いを託せる物がなかった。お守りや御朱印、御朱印帳はあるが持ち帰るため、絵馬を望む意見が多かった。

 氏子たちが話し合い、先月に絵馬と絵馬かけを作った。絵馬は千円で、願いがかない花を咲かせるようにと表を桜の花びら模様にし、裏側に内容を書き込めるようにした。絵馬かけは社殿の前に設け、隣にはおみくじを結びつける台も新設した。絵馬かけとおみくじ台は冬季間は建物内に移動し、絵馬は内部で奉納できる。

 淀川利二氏子総代は「新型コロナウイルス感染の影響で一時減っていた参拝者が、また増えてきた。絵馬に祈りを込め、さまざまな“勝ち”につなげてもらいたい」と話す。同神社は通常は無人。絵馬は来年1月4日に同市の甑葉プラザで開かれる新年祝賀会の会場でも販売する。問い合わせは市観光物産協会0237(53)1351。

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