全国高校バスケットボール選手権大会 女子 勝利と敗北を味わい、新チームに移行する明豊 【大分県】

第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)

2回戦 12月24日 東京体育館

明豊41-84広島皆実

1回戦 12月23日 東京体育館

明豊77-76市立船橋

目標の16強入りには、あと1つ届かなかった。ウインターカップに8年ぶりに出場した明豊は、2回戦で182cmのエースを筆頭に170cm台がズラリと並ぶ広島皆実に完敗した。高さ、パワー、そしてスピード、全てで相手が上回っていた。それでも最後まで諦めることなくコートを走り続けたことは、次につながるはずだ。ゲームキャプテンの末永瑠奈(2年)は唇をかみ締め、「悔しさでいっぱい。3年生の思いを背負ってコートに立ったのに、悪い流れのときに自分のプレーが出せなかった」と言葉をしぼり出した。

2年生が先発5人に名を並べるチームだが、チームを支えてきたのは3年生。1回戦の市立船橋(千葉)に勝利した後、杉山真裕実監督は「3年生の支えがあって、下級生が思い切ってプレーできている」と語った。試合に向けた準備、対戦相手の分析、戦い方を助言するのも3年生。広島皆実戦でも3年生に気合を注入された2年生は、試合の入りは最高だった。末永のシュートで得点が動き始め、強敵相手に序盤まではシーソーゲームを演じた。「魂のバスケ」と呼ぶにふさわしい強度の高い守備で食らいつき、攻撃では果敢にドライブを仕掛けた。

果敢にドライブを仕掛けた末永瑠奈

消耗戦になることは承知で最初からエンジン全開。リバウンドでは分が悪かったが、地上戦となるルーズボールの奪い合いでは負けなかった。第1クオーター(Q)は互角の勝負であったが、フィジカルに勝る相手に接点で弾かれ、「一つ一つのプレーが止まってパスが通らない。攻撃にリズムが生まれなかった」と司令塔の原田美優(2年)。予想以上に体力を消耗し、ファウルが重なった。徐々にシュートが入らなくなると、一気に点差を広げられた。

3Qでも得点が伸びず、苦しい展開が続いたが、3年生がコートに立ったときは守備からリズムを生み出し、「最後までボールに食らいつく明豊らしい戦いができた」と杉山監督。結果はダブルスコアとなったが、原田は「通用する部分はあったし、全国レベルを体感できたことは大きい」と語った。新チームは27日から始動する。先発メンバーはそのまま、今大会で得た勝利の醍醐味(だいごみ)と敗戦の苦味を味わった経験を十分に生かすことができる。「来年は技術もメンタルもひと回り以上成長し、また戻ってくる」(末永)と誓った。

1回戦で3点シュート6本を決めた羽田さくら(2年)

(柚野真也)

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