京都府宇治市の万福寺に「辰」の巨大絵馬 作者の「画僧」は竜の絵がライフワーク

来年の干支「辰」の大絵馬と、描いた内藤香林院主(宇治市五ケ庄・万福寺)

 京都府宇治市五ケ庄の黄檗宗大本山・万福寺に、来年の干支(えと)「辰(たつ)」をあしらった巨大な絵馬がお目見えした。絵が得意な僧侶が疫病退散や厄よけを願って描き、迫力のある竜が参拝者の目を引いている。

 仏画や高僧画などを描く「画僧」として活動する同寺塔頭・東林院の内藤香林院主(72)が手がけた。境内に飾る絵馬は昨年の「寅(とら)」に続いて2作目となる。

 高さ約1.5メートル、幅約2.2メートルの大作で、稲妻とともに水の中から現れる竜を荒々しいタッチで表現した。竜は万福寺のような禅宗と関係が深く、観音経の中で観音や仏法を守る役割を担う竜をモチーフにしたという。

 内藤院主は竜の絵をライフワークとしており、「竜は勢いを表す。来年は戦争がなくなり、観光などが良い方向になれば」と話す。本堂の大雄宝殿前に1月中旬まで設置する。

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