大きなお地蔵さんも「冬支度」 帽子と肩掛け、カラフル編み物でほっこり

初雪が舞う中、帽子と肩掛けをまとう大地蔵(京都府与謝野町石川)

 冬本番を前に、京都府与謝野町石川の介護施設「ふれあいホーム神宮寺」の職員と利用者らが、手編みした帽子と肩掛けを施設横にある「神宮寺の大地蔵」に着せた。12月中旬には初雪が降り、赤や黄色などカラフルな編み物が温かく地蔵を包んだ。

 神宮寺の大地蔵は台座を含めて高さ約6メートルある。江戸後期の1822(文政5)年に起きた、文政丹後一揆を主導した地元出身の吉田新兵衛らを供養するため、49年(嘉永2年)に建立されたと伝わる。

 同寺は2001年の火災で本堂と庫裏が全焼。本堂は再建されたが住職の体調不良などで無住になり、2009年から介護施設として活用されている。

 大地蔵の冬の飾り付けは一昨年に始まった。施設管理者の小籔利恵さん(45)が地元の郷土誌を読み、毎冬の「みの着せ」が恒例になっている、隣市の平智山地蔵院・平地地蔵(京丹後市大宮町)とルーツが関連していることを知った。「うちのお地蔵さんは掃除もされず気の毒」と思い、清掃に併せ、利用者らが手編みした肩掛けを着せるようになった。

 12月初め、帽子(直径約1メートル)と大きな肩掛けを着せた。各自が毛糸で編んだものをつなぎ合わせ、色や模様がさまざまな仕上がりになった。

 帽子を作った利用者の女性(83)は「お地蔵さんがかわいくなり、うれしい」と笑顔を見せ、小籔さんは「由緒ある地蔵を守っていきたい。多くの人に見てもらえたら」と話している。

© 株式会社京都新聞社