映画『アイデン&ティティ』20周年記念上映会&トークショーがLOFT9 Shibuyaにて開催! みうらじゅん、田口トモロヲ、峯田和伸が登壇!

2023年12月20日(水)、LOFT9 Shibuya(東京)にて、映画『アイデン&ティティ』上映から20周年を記念する映画上映会とトークショーイベントが開催された。会場での観覧チケットはなんと即日完売し、貴重なものに。当日は師走にもかかわらず、熱気あふれる夜となった。

映画『アイデン&ティティ』は、2003年12月20日からシネセゾン渋谷などで上映された青春映画。1980年代後半から90年代初頭の高円寺を舞台に、ロックバンドにかける若者たちの葛藤や苦悩をリアルに描いたみうらじゅんによる漫画を原作に、田口トモロヲ監督、峯田和伸主演で映画化された。今回の上映会とトークイベントは、「20周年だし、なにかしたい」という峯田の声をきっかけに実現に至ったという。 LOFT9 Shibuyaは開場前から長蛇の列。入場時には、映画のポスター写真をあしらった「特製Tシャツ 白」が手渡された。会場を進むとバーカウンターに、当時のチラシ、完成披露試写会招待状、台本、非売品の劇中歌CDなどを展示した特設コーナーも。そこにもファンの列が続いた。

18:30を過ぎ、まずは映画本編の上映がはじまる。満員の客席は「20年前に映画館で見た」というミドルエイジ以上から、「今回初めて映画を見る」という20代まで、老若男女入り乱れるかっこう。 ロックバンド「SPEED WAY」のボーカルである主人公・中島(演:峯田和伸)は、バンドブームの波に乗った成功と、その波が引いたせいで起こる転落を味わう。「自分の理想」と「求められる現実」の間でもがく中島。ラストシーンの中島のライブMCを、公開から20年が経った今も、観客は息を呑んで見守る。 上映が終わり、客席は自然と拍手に包まれた。 休憩を挟み、いよいよトークイベント開始。

司会として登場したのは、当時、映画『アイデン&ティティ』のプロデューサーを務めた小西啓介。小西プロデューサーの呼び込みで、監督の田口トモロヲ、主演の峯田和伸、そして原作者である、みうらじゅんが登場。 3人で集まって『アイデン&ティティ』のイベントをするのはなんと18年ぶりとのこと。(みうらによると「10周年の時に何かやらなかったっけ?」とのことだが…) 登壇者が全員黒い服を着ていたため「今日は、だれのお通夜ですか?」と、みうら。早々に会場に笑いがあふれた。

みうらと田口、映画のはじまり

「95年に、とある映画のイベントに、『ブロンソンズ』としてみうらさんとトモロヲさんにゲストに来ていただいたんですが…」と小西プロデューサー。ブロンソンズには某映画の「前説」をオファーしたはずが、上映前に3時間喋り続けた。そのまま映画館を出禁になってしまったというエピソードも。 当時、それまで映画監督をしたことがなかった田口が、なぜ本作の監督をしたのか? という話におよび…。 田口「『アイデン&ティティ』がどこかで映画化するって話をみうらさんから聞いていて、ちょっとでも出してよ! なんて言っていた。でも、その話がなくなったって聞いて、『じゃあ、オレ(監督)やるよ』と言ってしまって…」 峯田「凄いっすねえ!」 田口「いやいや、酔ってたから」 みうら「飲み屋の約束はマストだからね」 田口「飲み屋の約束は守るっていうのが、ブロンソンズの掟だからね」 そこから企画書を書いたが、すぐには企画が進まず、やると決めてから5〜6年かかったそう。

▲田口トモロヲ

主演の中島役に峯田和伸が決定

主演・中島役のキャスティングは難航した。中島役にはミュージシャンをキャスティングしたいと思っていたが、ぴったりな人材がなかなか見つからなかった。そんなある日、田口が、峯田和伸を提案。小西プロデューサーに、田口から「珍しい動物、発見!」と興奮した電話があったという。峯田のバンド、GOING STEADY「若者たち」のMVで暴れる峯田を見て、直感があったそうだ。 峯田「オファーの直前にGOING STEADYが解散することになって。決まっていたツアーも全部中止にしてしまい、自宅にこもっていた時期だった。そんなときにトモロヲさんと名乗る人物から映画のオファーがあって、悪質なイタズラかと思ったら、本人だった。会って話を聞いて、すぐ『出ます』って言って…」 田口「キャスティングしてから、『あれ、この人演技できるのかな?』と不安になって(笑)。慌ててバンドメンバーのキャストでリハーサルを組んだんだけど、(峯田が)誰よりも全力で。全身全霊で芝居をするので、他の人たちが『食われちゃダメだ』と気合を入れ直して。相乗効果で芝居がどんどん良くなっていった」

▲峯田和伸

ボブ・ディランについて

また、映画に「神様」として登場し、みうら、田口が「映画のキモだ」と譲れなかったボブ・ディランとのエピソードも。ある日みうらに「ボブ・ディラン、サインが欲しいらしい」と連絡が来たという。そのため、みうらは「ボブ・ディラン」とサインをしたが、「ジュン・ミウラのサインが欲しい」だったそうで、本当かと疑いながら映画のポスターに「みうらじゅん」と10枚サインして送ったとのこと。また当時、ボブ・ディランが歌っている「Like a Rolling Stone」を使った映像作品は世界初だった。

▲みうらじゅん

峯田和伸がサプライズで歌う!

みうら、田口より「ぼくらの遺品はすべて峯田くんにあげます」などと愛のある一言も飛び出し、観客からの質問に答えるなど4名のトークはいつまでも続きそうだったが、なんと峯田和伸が一曲歌うことに。「この曲は普段ライブでも歌わないので…」「降ってこい! 中島!」とやや緊張をみせる峯田だったが、劇中歌の「アイデン&ティティ」をアコースティックギターでパワフルに歌い上げ、客席は本日いちばんの拍手に包まれた。みうらの目元には光るものが…。 みうら「もう、オレ、泣いてるよ。『アイデン&ティティ』って涙のカツアゲ映画だったんだね」

▲観客の皆様の撮影タイム

▲「バックショットも撮っとく?」と… トークイベントの模様は、LOFT9 Shibuyaのツイキャス配信アーカイブで12月26日(火)まで購入・視聴可能だ。(写真:村井香)

イベント詳細

映画『アイデン&ティティ』20周年記念上映会&トークショー 開催日時:2023年12月20日(水)開演18:30 出演:みうらじゅん、峯田和伸、田口トモロヲ 会場:LOFT 9 Shibuya 主催:有限会社マッシュ(公式X:https://X.com/mash_SNS) 協力:『アイデン&ティティ』製作委員会、東北新社、UKプロジェクト、ライトエージェント/トラヴィス、みうらじゅん事務所、小西啓介、Breath

©︎2003『アイデン&ティティ』製作委員会

【配信チケット購入先】 配信チケット(トーク部分のみ):2,000円(税込) ▼ツィキャスにて販売中 https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/263836 ▼アーカイブで12月26日(火)23:59まで視聴可能。 *購入期限:12月26日(火)21:59 【X(旧Twitter)でのハッシュタグキャンペーン】詳細 会場観覧、もしくは配信視聴の感想を『#アイデン20th』をつけてX(旧Twitter)で投稿した方の中から抽選で「3名様」に、会場来場者に配布する20周年記念特製Tシャツ「白」(Lサイズ)をプレゼントします。みうらじゅん・峯田和伸・田口トモロヲのサイン入りです。 当選された方には有限会社マッシュのX(https://X.com/mash_SNS)からスタッフがDMを送信します。@mash_SNSからのDMを受信できる状態にしてお待ちください。当選者のみにご連絡をさせていただきます。 ▶︎抽選対象ポスト:イベント開始から12月28日(木)12:00まで

【Tシャツ販売詳細】 UKFC ONLINE SHOPにて期間限定受注生産。 ▼詳細:https://ukfc.shop/extra_item

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