「首里城復興とともに人々が平和に暮らせるように」 新年へ向け「美御水」を奉納 円覚寺跡で王朝時代の儀式 

 琉球王朝時代、新年に向けて王家の安寧や長命を祈願したとされる「首里城への美御水(ヌービー)の奉納」の儀が24日、那覇市首里当蔵町の円覚寺跡であった。国頭村辺戸の大川と浦添市沢岻の澤岻樋川で取水した二つの水をノロ役が一つの壺瓶に入れて奉納し、世界平和や首里城再建を祈願した。壺瓶は来年1月3日まで首里杜館に展示する。

 奉納の儀では、ノロ役が美御水と共に果物や茶菓子、線香を供え、祈りをささげた。ノロ役の仲嶺絵里奈さんは「首里城復興とともに、人々が平和に暮らせることを祈願した。沖縄から発信できたら」と語った。澤岻樋川の管理者の玉城功平さん(22)は「大事な儀式を続けていくためにも樋川をきれいに保っていきたい」と誇らしそうだった。(社会部・城間陽介)

美御水を奉納するノロ役=24日、那覇市首里当蔵町・円覚寺跡(城間陽介撮影)

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