日本一に輝いた広島の剣士たち

2023年は剣道で広島県勢の活躍が目立つ一年となりました。日本一に輝いた男性剣士や小学生剣士たちを取材しました。

■棗田さんの練習の声

「いよー!」

迫力ある竹刀を繰り出す棗田龍介さん。11月に開催された全日本剣道選手権大会で、広島県代表としては初めてとなる優勝を飾りました。もう1つの顔が、警察官です。9月に広島県警察学校を卒業、10月から機動隊や海田署に所属しています。

■棗田さん

「設置完了!」

この日は交通課の研修です。先輩警察官を飲酒運転の疑いがある人に見立て、実習を行っていました。

■棗田さん

「しっかりまんぱんになるように吹きかけてください」

日本一の剣士といえども警察官としては一年目。先輩の助けを借りながら、研修の日々です。

■棗田さん

「研修で一番サポートしてくれているのは同期。上司の方も分からなければもちろん丁寧に教えてくれるので、ありがたい環境で仕事させてもらっている」

午前の研修を終え、午後は機動隊の庁舎にある剣道場で練習に励みます。入口には棗田さんの優勝を称えたイラストが描かれていました。家族の影響で剣道を始めたのは小学1年生の時。しかし…

■棗田さん

「練習で楽しいと感じたことはあまりないかなと思うんですけど」

それでも父親からの教えで剣道の基礎を身につけ、小学2年生の時には広島市の大会で優勝しました。

■棗田さん

「勝った時の喜びっていうのがあって、そこから試合に勝つために練習するんだという気持ちの変化があったのかなと思います」

広島の若い世代も力をつけています。12月に開かれたのは広島県剣道連盟によるジュニア強化を含めた稽古会。子供剣士たちが稽古に励んでいました。9月に行われた「全日本都道府県対抗少年剣道優勝大会」で、広島県選抜は小学生の部で全国制覇を果たしました。

■優勝メンバー

「みんなの力が合わさって取れた日本一だと思います」

「剣道始めた時から日本一がずっと夢だったので嬉しいです」

「優勝した時にやっぱりやっててよかったなと思います」

小学生のとき、棗田さんも同じ大会に出場していました。日本一になった今、子供たちに伝えたいことがあります。

■棗田さん

「勝ち負けはもちろんあると思うんですけど、そこで負けるんじゃなくて最後まで貫くというか、誇りに思って自分のできるところまで続けるというのを大切にしてほしいなと思います」

(2023年12月25日放送)

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