塩谷立座長に東京地検特捜部が任意聴取 『裏金』暴露の宮澤博行議員はお詫び・説明行脚

Q.ノルマを超えた分について、派閥から戻された経験はありますか?

衆院比例東海(静岡8区)“安倍派”塩谷立座長(11月30日):「そういう話はあったと思います」

後に発言を撤回したものの、派閥内でパーティー券を巡るキックバックがあったことを臭わせていた安倍派の塩谷立座長。

記者:清和政策研究会(安倍派)の入るビル (19日)
「東京地検特捜部の係官らが、安倍派事務所の建物へと入っていきます。これから家宅捜索が行われるものとみられます」

年の瀬が迫る中、先週、自民党中枢に入った捜査のメス。

記者:志帥会(二階派)の入るビル(19日)
「捜査関係者が今、“二階派の事務所”に入っていきます。特捜部がついに強制捜査に踏み切りました」

安倍派と二階派ではパーティー券の販売ノルマを超えた収入が、収支報告書に記載されていない上、所属議員側にキックバックされていた「政治資金規正法違反」の疑いがあります。

その後の関係者への取材で、東京地検特捜部が安倍派の塩谷立座長から任意で事情を聴いたことが分かりました。

衆院比例東海(静岡8区)“安倍派”塩谷立座長(10日・浜松市中区):「資金パーティーの件については、国民の皆様方に大変な政治不信を招いたこと、心からお詫びを申し上げる次第でございます」

今月10日、取材に対してお詫び言葉を口にしていた塩谷座長。

Q.11月の終わりに、一度撤回はしているが、キックバックに関連して「あったと思う」としていたが?

衆院比例東海(静岡8区)“安倍派”塩谷立座長(10日・浜松市中区):「あれはいろんな質問の中で、そういうような状況があったのかなと思っているが、事実関係を把握していないので、後ほど撤回をした。いま現在、捜査が進んでいると聞いているが、具体的な事実関係をしっかり把握するなかで今後、適切に対応してまいりたい」

当時、具体的な内容に対しては口を閉ざしましたが、特捜部の調べに対して、キックバックについては「適正に処理されていると思っていた」という趣旨の認識を示しているということです。

宮澤博行前防衛副大臣はお詫び・説明行脚

そうした中、23日、静岡県内では。

静岡県菊川市を訪れたのは、衆院静岡3区を地盤とする、宮澤博行議員。

衆院比例東海(静岡3区)“安倍派”宮澤博行前防衛副大臣(23日):「ちゃんとした決意でもって、地元のみなさんにご挨拶、お詫び、ご説明をとにかく回っているという状況です」

週末も“説明行脚”となった宮澤議員は、これまで防衛政務官や防衛副大臣などの要職を務めてきました。

ところが、今回の“裏金疑惑”によって防衛副大臣を事実上更迭されています。

“安倍派”宮澤博行前防衛副大臣(国会内・3日)
「ここに至った限りにおいては、もうしゃべるしかない。そう思って決断したところでございます」

Q:(不記載は)大体おおよそいくらぐらいに?

A「はっきり申し上げます。 3年間で 140 万円です。しゃべるな、しゃべるなって、これですよ!」

自らも、キックバックの不記載があったことを認めた宮澤議員。

さらに。

Q:しゃべるなというの は誰から言われた?総理?派閥の会長?

自民党 安倍派 宮澤博行衆院議員(国会内・3日):「総理は違いますね。 派閥の方からでござ います」

Q指示があったということ間違いない。しゃべるなと?

A「しょうがないですね。ここまで私がしゃべってしまったら、もう派閥から追い出されるかもしれませんけども、指示はございました。」

Q指示したのは誰?

A「それは申し上げることはできません」

派閥内に“不記載を指示した人物”がいることを明らかにしました。

この“暴露”によって岸田政権をも揺るがす事態に発展している自民党の“裏金疑惑”騒動。

お詫びに訪れた朝市では次々と声を掛けられ、何度も頭を下げる姿が。

“安倍派”宮澤博行前防衛副大臣(国会内・3日):「とにかく不記載の資金があったことは本当に有権者の皆さんにお詫びはずっと続けなくちゃいけないと思いますが、それをやったうえで、次に向けて進んで行かなくちゃいけない」

他にも戸別訪問をしたり、メールでお詫びをしているようです。

宮澤議員の“支援者”は、相当な「くやしさ」があったのではないかと話します

宮澤議員の支援者(22日):「そんな簡単に副大臣になれるもんじゃない。やっとつかんだっていうか、悔しさだよね今は、と思って。派閥に属していなければあのポストもなかったでしょう。そして派閥に属していなければこんな事態もなかったという。なるべくしてなったというか…」

そうした中、安倍派では去年、キックバックを廃止する方針を一度は決めたものの、議員側から反発があり、その後、撤回していたことが分かりました。

当時、実務を取り仕切る事務総長だった西村康稔前経産大臣や、安倍派の幹部らもキックバックの問題を認識していた可能性があります。

これに、宮澤議員は…。

Q(去年)キックバックを1回止めようってなって、それが撤回されたという報道が出たが?

“安倍派”宮澤博行前防衛副大臣(おととい・菊川市内):
「直近2年について、改善したほうが良いんじゃないかという感触はあった」

“任意聴取を受けた幹部”と“実態を激白した議員”という一連の騒動の中でも注目を集めている静岡の2人。

安倍派と二階派に対する東京地検特捜部の捜査は続いています。

© 静岡朝日テレビ