ひみ寒ぶり返礼間に合う ふるさと納税、発送開始

2千本を超すブリの大漁に沸いた氷見魚市場=氷見市内

  ●書き入れの年末、寄付上積み期待

 氷見漁協のブランド魚「ひみ寒ぶり」の出荷宣言を受け、氷見市は25日、ひみ寒ぶり関連のふるさと納税返礼品の発送を始めた。宣言の大幅遅れで停止していた受け付けも再開。寄付が最も集中する12月下旬にぎりぎり間に合ったことで、市は全国に誇るブランド力を生かした寄付金の上積みに期待している。

 ひみ寒ぶりの返礼品の予約は10月から受け付けを開始し、宣言が出次第、発送を開始する予定だった。しかし、今季は昨季に比べて宣言が20日以上遅れ、市は年内に出ない可能性もあると判断。宣言後でないとひみ寒ぶりのブランド名で提供できないため、今月18日までに予約した396人に対してはブランド名を冠しない通常の氷見産寒ブリに変更を打診していた。

 このうち、年内発送を希望した約2割の人に対しては25日から発送する予定だったが、23日に宣言が出たため、一転、ひみ寒ぶりとして提供できるようになった。市は、18日から関連品の受け付け停止していたふるさと納税を募集する11のネットサイトでも、23日から受け付けを再開した。23日は土曜日で市役所は閉庁日だったが、午前8時半にホームページで案内。寄付が多い土日を意識して迅速な対応を取った。

 「魚のまち」として知られる氷見市のふるさと納税では、ブリの返礼品が「けん引役」となっている。寒ぶり宣言で注目が集まり、寄付が増える傾向にあるという。

 富山県内トップの6億円超を記録した昨年度は、12月の1カ月で年間の半分超にあたる3億1334万円を記録。12月の寄付額は年間実績を大きく左右するため、市商工振興課は月内の動向に気をもむ。

  ●2日で2000万円

 今年度の寄付額は現時点で4億円を突破している。ただ、国の制度変更に伴い9月に寄付の駆け込みがあった反動で10、11月の寄付額は前年比で4割以上減少しており、12月も影響が見られるという。宣言後の23、24日の土日では約2千万円の申し込みがあり、「宣言効果」が見られた。

 昨年12月は最終週(26~31日)の6日間で1億円超を記録、想定を超える伸びをみせた。氷見市商工振興課の担当者は「ひみ寒ぶりを希望者に送ることができてホッとしている。宣言で勢いがついてほしい」と昨年末と同様のラストスパートを期待した。

  ●2323本水揚げ 3季ぶり大台

  ●市役所に漁獲量掲示板

 氷見市の氷見魚市場では25日、ひみ寒ぶりが2323本水揚げされ、3季ぶりに2千本の大台を超える大漁となった。市は同日、市役所1階入り口に今季の漁獲量を伝える「ひみ寒ぶり情報」掲示板を設置し、累計4175本と合わせて表示した。

 高さ約2メートル、幅約1メートルの掲示板は、市キャラクター「キットちゃん」をデザインしている。氷見魚市場の開場日に更新する。

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