1日3分「くるみ割り」押し&「窓全開」押し!首を押すだけで腰痛も頭痛も改善

(写真:FineGraphics)

「頭痛も腰痛も、その痛みと不調の原因は首のズレにあるんです」

そう指摘するのは、『首を整えると脳が体を治しだす』(アチーブメント出版)の著者でカイロプラクティック「オフィスシマザキ」の島崎広彦院長だ。上部頸椎カイロプラクターの専門家として、首のズレを調整することで、頭痛や腰痛、肩こりをはじめ、全身の不調を治療している。

「背骨の中でも、首には7つの骨(頸椎)があります、上から頸椎1番は、輪っか状で回転しやすく、2番は、飛び出ていて軸になる歯突起という部分があり、特殊な形状になっています。私が調整するのは、基本的にこの上部頸椎なんです」(島崎院長、以下同)

腰痛やひざの痛みでも、首の骨を調整するだけで改善でき、これまで30万人に施術してきた。

「24個の骨がある背骨は、かみあってつながっているので、基本的にズレません。ただ、いちばん可動域のある頸椎1番と2番は別。全身に向かう神経のほぼすべてが通過する箇所であるため、上部頸椎の問題は全身に悪影響を与え、本来の正しい位置からズレることで全身の症状の原因となるのです」

■首は多くの筋肉で体重の8%にも当たる頭を支える

「上部頸椎は、頭蓋骨を下から支える位置で、脳の真下。ここがズレると、自律神経の中枢の脳幹に悪影響を及ぼします。脳からの指令が各器官に伝わりにくくなり、心臓から脳への血流も悪くなり、体のパフォーマンスも低下します」

カイロプラクティックでは、「不調の原因は体の中の『治す力=病気に抵抗する力、回復する力』が発揮されていないのが理由」と考える。

島崎院長は、最初のズレとなる頸椎1番2番を調整し、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを取り、自己回復力をあげる。

頸椎1番を調整することで、体が温まる「体温調整機能」「胃腸のぜん動運動」を促進し、血流が改善し血圧も低下していくという。

「首の後ろを指で押すことで、首の周りの筋肉が緩みます。そして、頸椎の並びが整うことで、脳から脊髄、そして全身の神経の伝達効率が高まり、血流がよくなり、自律神経のバランスも整うのです。頭痛や腰痛に悩む人も、痛みのもととなる上部頸椎を調整するだけ」

首押しする筋肉は2つ。1つは、首の横の「肩甲挙筋」。「すぐ脇にリンパ管が走っている筋肉で、肩こりや頭痛の原因となる筋肉です」。2つめは、首の後ろの「僧帽筋」。「姿勢を保つ筋肉で基本の「くるみ割り」押し、後頭部には頭を支える筋肉が集まっていて、この筋肉が固いと頭痛やスマホ首が多い。血流が悪くなると目の奥に痛みがでます」

島崎院長は、一般の人が自分でも、頭痛、肩こり、腰痛、スマホ首などの症状を改善できるようにと、カイロプラクティックをもとに、独自の「首押しプログラム」を開発。

今回、頭痛と腰痛改善のための首押しプログラムを教えてくれた。

■基本の首押しは「指組み」&「三指圧」。1日3分するだけ!

【1】首押しの準備に「合谷押し」

人差し指と親指の付け根のへこみのツボ「合谷」を、親指と人差し指ではさんで30秒ほど押して圧を加え続ける。

「はじめに『手もみ』をして、手を温めることが大切。寒い冬、冷たい手でいきなり首に触れてしまうと、自律神経の交感神経が優位に働いてしまいます。腕や手も疲れます。また、手の甲の指の骨のすきまは疲れがたまりやすいです。手の代表的なツボの合谷を押して手を温めると、首に触れたとき温かさを感じられるし、ここをさすってほぐすと血流がよくなり手足の冷えが改善します」

【2】基本の指組み「くるみ割り押し」

1. 両手の親指以外の4指を軽めに組んで後頭部にのせ、下を向いた親指を首の両側につける。

2. そのまま顔は下げずに、くるみ割りのイメージで脇を締めつつ両ひじ先を顔の前、斜め下に寄せていく。

3.1、2、3、4と息を吐きながら両ひじを寄せていき、4でひじをもっとも近づけ、首を強く押して息を吐きだす。そして次の1,2,3で両ひじを開く。自然と親指で頚椎に圧をかけられる。

4.最初は後頭部の付け根を押す。組み手を下にずらしていき、首の真ん中あたりを。最後に、首が肩に広がるあたりを押す。1回7秒ほど。

「首や肩こり、頭痛にはこの押し方が効果的です。」

【3】腰痛に聞く三指圧の「窓全開押し」

1. 人差し指、中指、薬指の三指を使い、反対側の首の斜め後ろに指をひっかけ、窓を開けるようにスライドさせて圧をかける。

2. 息を吐きながら三指を横に引っ張る。このとき、頭を指側に倒して。(首の右側を押すなら、左の三指を右にひっかけ、頭は右側へ傾ける)。首の後ろは動脈がないので強く長く押しても大丈夫。

腰痛の人は、首の横ズレが強いという。そこで、ドアをスライドさせるような首押しを。

「腰痛の痛みが右か左か。頸椎のズレと反対側に腰の痛みが出ます。片方の肩が下がり、バッグをかけられない人は、必ず腰痛があるはず。ただし、右肩が下がっていて同じ右側の腰が痛い人は、腰痛ではなく、坐骨神経痛かもしれません」

体の地味な痛みは、冬になって体が冷えるとよりつらさが増す。1日3分の「首押しプログラム」で、頭痛も腰痛も撃退しよう!

© 株式会社光文社