スターダム新人の八神蘭奈がデビュー戦で朱里に強烈キック「蹴りを極めていきたい」ドラマーから転身

スターダムの若手主体興行「NEW BLOOD 12」が25日、都内の品川インターシティホールで行われ、新人の八神蘭奈(やがみ・らんな)が玖麗(くらら)さやかと同日デビューを果たした。八神は朱里を相手に9分45秒、グラウンド式朱雀でギブアップするも、物おじしないファイトで観客を沸かせた。

元ワールド王者を相手に恐れなかった。八神はタックルからグラウンドで関節を取り合い、素早く起き上がって低空ドロップキックで先制。そのまま強烈な蹴りを背中に決め、会場をどよめかせた。朱里に蹴り返され、裸絞めで苦しむが脱出。ラリアット、蹴りを腕ひしぎ十字固めで切り返す見せ場もつくった。最後は腕を極められながらの三角絞めでギブアップ負けしたものの、クールにひるまない姿勢を貫き、観客から拍手を送られた。

朱里に抱えられて引き上げた八神は「モノが違う女と戦えてうれしかったです。朱里さんに負けないキックができるようにがんばります」とキッパリ。今後に期待を抱かせた。

八神は東京都出身。159センチ、57キロ。水泳14年、クラシックバレエ12年、日本舞踊6年、そして空手8年(三段)の経験を持つ。ドラマーとしてバンド活動をしていた際、関係者にプロレス好きがいた影響で、関心を持つようになった。数年前、音楽とプロレスを融合させたイベントで朱里に出会い、個人的な交流も始まったという。その中で朱里への憧れが募り、今年3月に練習生として入門。10月にプロテストに合格した。

母と姉、1歳のおいが見守る中、デビュー戦を終えた八神。「負けて悔しかったけれど、リングから天井を見上げた時、楽しいと思えた」。10日前に腰を痛め、不安があったというだけに安心感も出てきたのだろう。今後は「蹴りを極めていきたい。関節技にも取り組みたい」と、格闘技色の強いプロレスを理想に掲げた。来年1月3日の年明け横浜武道館大会では、新人王決定トーナメントに同期の弓月、八神蘭奈、HANAKOと臨む。「まずは新人王を頑張りたい。そしてフューチャーのベルトを狙います」と先を見据えた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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