こも樽作り最盛期 茨城・水戸の明利酒類 コロナ落ち着き出荷増

縄で締め上げ飾り樽を作る従業員=水戸市元吉田町

正月を前に、茨城県内の酒造会社では、神社境内などに飾られる「飾り樽(だる)」や、催しでの鏡開きなどに使われる「酒樽(さかだる)」の出荷作業が本格化している。コロナ禍が落ち着き、出荷数が増え、酒造会社に活気がよみがえった。

日本酒「副将軍」で知られる明利酒類(水戸市元吉田町)では、従業員らが酒の銘柄入りのこもを樽に巻き、形を整えながら縄できつく縛り上げる作業に汗を流している。飾り樽は年内いっぱい、酒樽は正月明けまで準備作業が続けられる。

同社ではコロナ禍の時、飾り樽や酒樽の注文はほぼ絶えた状況だった。今シーズンの年末年始に、酒樽に使用する予定の酒の量は3千リットル。コロナ禍前に比べ2倍に増えたという。

同社製造課係長の川崎大夢さん(33)は「酒樽や飾り樽を作れる人が社内に3人しかいない。この技術を伝えながら広めていく。酒樽をお祝いなどで使ってほしい」と笑顔で話した。

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