山形・済生館で一時システム障害 電子カルテ影響、機器更新が原因か

システム障害を知らせる山形市立病院済生館の張り紙=25日午後

 山形市立病院済生館で25日午前8時半ごろ、システム障害が発生し、約4時間にわたって電子カルテが使用しづらくなり、診療などに時間を要する状況が続いた。同病院によると、23日夜に行ったシステム機器の更新が原因とみられる。外来患者約500人に影響した。

 電子カルテが表示されなくなったり、表示されても操作できなくなったりした。システムの再起動を何度か繰り返し、午後0時半ごろに復旧したという。

 同病院では障害発生中も紙のカルテなどを代用して外来診療を継続し、入院患者への対応や救急車の受け入れに影響はなかったという。院内アナウンスで状況を説明したほか、出入り口付近にシステム障害を知らせる張り紙を掲示するなど職員が対応に当たった。

 現システムは2006年に導入。同病院管理課は「待ち時間を生じさせ、ご迷惑をおかけした」としている。

院内混雑、診察諦めた患者も

 館内放送で状況が知らされる中、院内は診察を待つ患者で混み合い、一部の待合室には追加の椅子が用意されたものの、それでも座りきれない患者であふれていたという。

 天童市から月に1度診察に訪れる80代の農業女性は「10年以上通って初めての経験」と憤った。午前に来院すれば正午までには帰宅できることが多かったが、この日は午後1時過ぎになったという。「わざわざ来たので待つしかなかった」とため息をついた。

 山形市の50代自営業男性は午前8時半に来院し、約5時間後に診察が終わった。「年末年始に入るので、今日中に持病の処方箋がもらえなかったらどうしようか不安だった」と語った。

 復旧見通しが立たないため、同日の診察を諦めた患者もいた。上山市の50代自営業女性は午前9時ごろに来院したが、正午過ぎまで障害が復旧せず、来月4日に予約を取り直したという。「薬がなくなりそうなので困るが、仕方ない」と肩を落とし、足早に立ち去った。

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