冬なら車で犬を留守番させても大丈夫?状況や時間など注意すべき点と理解すべきリスク「全飼い主に知ってほしい」

冬に車で犬を留守番させる際に注意すべき点と理解すべきリスク

夏に車で犬を留守番させることには、熱中症のリスクがあることから絶対にNGとされています。しかし、(冬なら暑くないから大丈夫なのでは…?)と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに気温の高い時期には車で留守番している犬を見かけることは少ないのですが、冬になるとよく見かけるなという印象ですが、「冬なら車で犬を留守番させても大丈夫」という考え方は本当に正しいのでしょうか。

寒い季節、どうしても車で犬を留守番させなければならない場合の状況や時間などによって注意すべき点、理解すべきリスクを解説します。

日中の直射日光に注意する

クレートに入った状態で、車で犬を留守番させる場合、直射日光が当たることで、熱中症のリスクが考えられます。

直射日光が当たると暑すぎる可能性があり、犬が身動きできない状態であると、暑くなっても移動することができません。

コンビニで水を買ってくるだけなど1~2分で済ませられる程度の留守番であれば、適度に暖かく過ごすことができます。しかし長時間の留守番になると、冬場でも熱中症になるリスクはある、と考えるべきです。

逆に暖房なしでの長時間の留守番は、低体温症のリスクもあります。もし車の中で少し長い時の留守番が必要な時は、必ず湯たんぽやカイロなど、犬がやけどする危険性のない物を用意しましょう。

一酸化炭素中毒に注意する

暖房を入れたままの状態(エンジンをかけたままの状態)で車で犬を留守番させると、一酸化炭素中毒になるリスクがあります。「換気のために」と窓を少しでも開けていた場合に排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒の原因になることがあります。

また、たとえ自分の車がエンジンを切っていた場合でも、周りに止めてあるエンジンをかけたままの車から出る排気ガスが窓から入り込み、一酸化炭素中毒の原因になることもあります。

冬に車で犬を留守番させるときは、エンジンを切り、窓を閉めるようにしましょう。愛犬のクレートやベッドに湯たんぽを入れたりすることで、暖房無しでも暖かく過ごせます。

循環器系の持病の症状に注意する

循環器系の持病のある犬を車で留守番させると、負担が大きくなるリスクがあります。

冬の寒さによって血管が収縮すると、血圧が上がるためです。また、湿度の高さも負担の原因になることがあります。愛犬が僧帽弁閉鎖不全症や心不全を患っている場合は要注意です。

どうしても留守番が必要なときは、暖房で車内を十分に暖かくし、冷えてしまう前に戻るようにしましょう。湯たんぽやホッカイロの活用もおすすめできます。

誘拐や連れ去りに注意する

冬に車で犬を留守番させることには、誘拐や連れ去りのリスクがあります。

夏とは違い、冬なら熱中症のリスクが低いからと、長時間の留守番をさせたことがあるのではないでしょうか。短時間の留守番よりも誘拐や連れ去りのリスクは高まると考えることができます。

なるべく静かな場所にと考え、駐車場の端や店の出入り口から遠い場所に車を止めていると、誘拐犯に狙われやすくなります。

2009年には、車内からアイリッシュ・セターとボーダー・コリーが連れ去らわれた事件があったとされています。夏の車内で冷房を入れ、留守番させていたのだそうです。

まとめ

冬の車内で犬を留守番させるとき、注意すべき点と理解すべきリスクを解説しました。

  • 日中の直射日光に注意する
  • 一酸化炭素中毒に注意する
  • 循環器系の持病の症状に注意する
  • 誘拐や連れ去りに注意する

愛犬が卑劣な犯罪に巻き込まれてしまう恐れがあります。車で留守番させるよりも、自宅で留守番させた方が安全な場合があります。

愛犬と車で一緒に出かけるときは、家族の誰か一人は愛犬と車内に残ったり、愛犬と同伴できるお店に入ったりすることで、愛犬をひとりきりで車内で留守番させないための対応をしましょう。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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