技と知識の継承誓う 人間国宝の祝嶺恭子さんと大湾清之さん、那覇市長に認定を報告

 国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された「首里の織物」の祝嶺恭子さん(86)=写真右=と「琉球古典音楽」の大湾清之さん(77)=同左=が22日、那覇市役所に知念覚市長=同中央=を訪れ、認定を報告した。

 祝嶺さんは、戦争により現物が沖縄に残っていない中で、ベルリン国立民族学博物館所蔵の琉球の染織を調査した当時について「現物を見て学ぶ必要があった。後世につないでいくためのものを探している時代だった」と振り返り、次代にその技と知識を引き継いでいくことを誓った。

 1935年前後に書かれた古典音楽の論文など理論的に研究してきた大湾さんは「昔の人は熟成された音楽を持っていた。理論を知り形式を組み合わせることで新しい曲を作ることもできる」と説明。「古典音楽のほとんどが恋歌なので、若い人にどんどん歌ってほしい」と期待を込めた。

 知念市長は「認定おめでとうございます」と激励し、これからも文化の継承発展に寄与することを期待した。

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