【MLB】「松井裕樹の興味深い3つの要素」をMLB公式HP『MLB.com』が紹介

写真:パドレスと5年総額2800万ドルで契約した松井裕樹 ©Getty Images

松井裕樹がパドレスとの契約合意を発表してから、2日が経過した。そんな中、メジャーリーグ公式HP『MLB.com』では、デビッド・アドラー記者が松井裕樹の興味深い3つの要素を伝えている。

1)最近のMLB史上最も背の低い投手の一人になる
投手に背の高い人が多いのは事実であるが、松井は違う。彼の身長は5フィート8インチ(約173cm)であり、5フィート6インチのクレイトン・アンドリュース、5フィート7インチのマーカス・ストローマンに次いで、現在のMLBで3番目に背の低い投手となる。

2015年以降、MLBにおいて5フィート8インチ以下の投手は5人しかおらず、2000年まで遡っても14人しかいない。「この中で成功を収めていると言えるのは、2度のオールスターに出場しているストローマンとティム・コリンズ(元ロイヤルズ)くらいである」とアドラー記者はコメントしている。

14人のうちストローマン以外は左投手である。たとえ背が低くとも、左投げのスペシャリストであればMLBに到達できる可能性が高いということである。松井は2023年シーズンに37セーブ、防御率1.57、奪三振率11.3、過去3シーズンでは平均32セーブ、防御率1.42、奪三振率12.7の記録を残しており、MLBで十分に活躍できる可能性を秘めているだろう。

2)体格に見合った速球
松井は小柄であるが、MLBでも通用する速球を持っている。MLBの左腕は平均92~94マイルの4シームを投げるが、松井は96マイルに達することもある。アドラー記者によると、「松井の速球の興味深い点は“空振りが奪える”こと」だという。高いスピン量を誇り、浮いているように見える速球こそが、奪三振を量産する要因であるのだろう。

松井は今年のWBCに出場しているが、その時にも優れたデータを残している。4シームの平均回転数は2471であり、2023年のMLB平均である2283回転を大幅に上回っている。先日、ジャイアンツと6年1億3000万ドルの契約を結んだイ・ジョンフに対しても、93マイル、2444回転の4シームで打ち取っている。

3)MLBでは珍しいスプリットを投げる左投手
日本の一流投手と同じように、松井もスプリットを投じる。松井のスプリットの球速は80マイル後半であり、WBCの時には平均88マイル、落差31インチを記録した。

2023年にMLBで投じられたスプリットの96%は右投手によるもので、左投手によるものはわずか4%であった。また、2023年にスプリットを投げた83人のうち、75人が右腕によるもので、左腕は8人しかいなかった。この中で大きな活躍をしているのは、アロルディス・チャップマンとクレイトン・カーショウ(滅多に使わないチェンジアップをスプリットチェンジに変えた)だが、頻繁にスプリットを投じるのはチェイスン・シュリーブだけであった。

松井がこれらの持ち味を生かすことができれば、十分にMLBで活躍することができるだろう。MLB開幕まで残り3カ月を切った。パドレスは韓国で行われる開幕戦でドジャースと対戦する。開幕カードから日本人対決が見られるかもしれない。

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