川勝知事今年の漢字は「脱」 そして会見の締めくくりはリニア問題「JR東海と課題を一つ一つつぶすのが来年の仕事」 静岡

静岡県 川勝平太知事 県庁 27日
「令和5年、今年は“脱”の年になったと、思っております。」

毎年恒例となった、川勝知事が選ぶ、今年1年を表す漢字の発表。選んだのは…「脱」。

この一文字を選んだ理由について川勝知事は…

川勝知事:
「脱という実感なんですけれども、今年9月1日に熱海土石流警戒区域が解除された。1日も早い生活再建に向けて、一歩踏み出せた。」

おととし7月、熱海市で発生した、大規模な土砂災害。9月1日に警戒区域が解除され、被災者の帰還が始まったことを例に上げました。

さらに・・・。

川勝知事:
「そして何よりも5月に、(コロナの)感染症法上の分類が、5類になりまして、脱コロナというのが地についてきた、ということで“脱”。」

一方、川勝知事自身の1年はというと、7月に、議会から不信任決議案が提出され、最終的に否決。

さらに10月には経済界との懇談会で三島市に「東アジア文化都市のレガシーを置きたい」とし、これが「詰めの段階」と発言。議会に諮っていない案件だったことなどを問題視され、議会側から厳しく追及を受けた結果、謝罪する事態に発展しました。

一方で、きょうの会見でもリニア問題について言及しました。

川勝知事:
「リニア名古屋まで 2027年に開業するという、これに基づいて期成同盟会に入りまして入ったわけですけれども、JR東海事業主体の方から変更になりましたので、これも27年のくびきからの脱と言っていいかと思っております」

今年の漢字に「脱」を選んだ川勝知事ですが、その理由にも「リニア」を付け加えました。

先日、JR東海はリニア新幹線の品川―名古屋間の開業時期をこれまでの「2027年」から「2027年以降」とすることを発表。背景にあるのは静岡工区の着工の見込みが立っていないことです。

さらに川勝知事は今年1年のリニア問題を次のようにふり返りました。

川勝知事:
「JR東海さんと東京電力さんが民民の関係で、具体的な内容は発表されていませんけれども、合意書ができたということですね。これはJR東海にとって本当によかったんじゃないかと、そしてこれは同時に、丹羽新社長の功績の一つという風に思っております。」
「(田代ダム案合意に至ったのは)みずからのカラーを出されている一つの証左と受けとめているので、JR東海にとってもよかったし、丹羽さんはなかなかやられるなという感じで受けとめております。」

田代ダム案の合意でJR東海・丹羽社長の功績を讃えました。

その一方現会長で前社長の金子会長には厳しい言葉も…。

川勝知事
「この田代ダム案というのは、昨年の4月に当時の金子社長さんが出されたわけですね。で、今2022年から1年と8カ月たった。2023年12月です。したがって、20カ月たったわけですね。本来、こういう東京電力との合意をした上で、この田代ダムの取水抑制というのを出されるべきではなかったかと思います。」

また、国の有識者会議が国交省に提出した報告書についても言及。

川勝知事
「問題点の御指摘にとどまったんじゃないでしょうか。これからまだデータがないところはデータを集めなければならぬというふうな内容ですので。その意味で問題点の提示としてはよかったかとも思っておりますが、それ以上ではないですね。」
「この有識者会議が提示された課題については、本来のこの手続きどおりですね。(県の)専門部会に持って帰ってきまして、JR東海と一つ一つ課題を潰していくというのが令和6年の課題仕事になっていくかと思っています。」

来年も引き続きリニア問題に取り組んでいく姿勢を見せた川勝知事。

年が明けても注目が集まりそうです。

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