【シンガポール】11月のCPI上昇率3.6%、2年ぶり低水準[経済]

シンガポール統計局が26日に発表した2023年11月の消費者物価指数(CPI、19年=100)は114.9となり、前年同月から3.6%上昇した。前月から1.1ポイント低下し、約2年ぶりの低水準となった。

11月のCPI上昇率は全10項目中9項目で前年同月を上回り、1項目で低下した。衣料品・靴はマイナス0.5%。4カ月連続でマイナスとなった。子供服や紳士靴の下落が目立った。

娯楽・文化は5.6%で伸び率が最も高かったが、10月の5.8%からはやや縮小した。ホテル関連とその他で16.0%となり、19.2%と高水準だった10月から低下した。

医療は5.1%。医薬品がマイナス0.8%と10月の0.2%上昇から下落した。家庭用の耐久財・サービスは1.0%となり、10月から0.3ポイント低下した。

10月に最も上昇率が高かった運輸は2.8%と伸びが鈍化。民間運輸が10月の11.7%から4.2%と大幅に低下した。乗用車の価格上昇の鈍化が主因だ。

食品は4.0%で10月から0.1ポイント低下した。調理済み食品の価格上昇率が鈍化したことが背景にある。

シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)と貿易産業省が発表した11月のコアインフレ率(運輸や住宅など、政府の政策の影響を受けやすい項目を除外したインフレ率)は3.2%となり、10月の3.3%から0.1ポイント低下した。

11月のCPI上昇率は前月比(季節調整済み)ではマイナス0.2%だった。全10項目中5項目がマイナスとなった。

コアインフレ率は12月には2.5~3.0%の上限に近い水準になるとの見通しを提示。23年通年では、CPI上昇率が前年比5%、コアインフレ率が4%という従来予想を据え置いた。

24年については、「1月からの消費税(GST)引き上げの影響を受けるものの、その後は輸入コスト圧力が低下して労働市場の逼迫(ひっぱく)が緩和されるため、コアインフレ率は緩やかな傾向を取り戻す」と説明。CPI上昇率が前年比2.5~3.5%、コアインフレ率は1.5~2.5%になると予想した。

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