富山一初戦突破へ闘志 全国高校ラグビー、京都成章と28日初戦 キック武器に攻撃多彩

初戦突破へ向けて闘志を燃やす富山一高ラグビー部=同校

 第103回全国高校ラグビー大会は27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。富山県代表で5大会連続15度目の出場の富山一は28日午前11時25分から京都成章(京都)との1回戦に臨む。意表を突くキックを武器に、多彩な攻撃を展開し、12年ぶりの初戦突破を目指す。

 県大会の決勝では砺波、砺波工、高岡一、龍谷富山の合同チームに対し、キックで相手スペースにボールを入れ、フォワード(FW)がボールを奪い、タッチダウンで得点する場面が目立った。林昂慶監督はチームの特徴について「攻撃にキックを織り交ぜるのがうまく、戦術の幅が広い」と話す。

 指揮官が「力のある世代」と信頼を寄せる3年生が攻守の要として躍動する。ラグビー経験者が例年の2倍ほどの9人入部した世代で、1年生から試合に出て活躍している選手も多い。

 FWリーダーの岡本煌汰(3年)は競技歴8年で、「ラインアウトからのモールでは負けない」と闘志を燃やす。選手同士の話し合いを大切にしているとし「戦術について意見が対立することもあったが、自分たちで考えることで自信を持って戦えている」と力を込める。

 初戦の京都成章は堅守が持ち味の強豪として知られる。指揮官は「前半はディフェンスを頑張って失点しないようにすることで相手を焦らせる」と理想の展開を描く。後半は意表を突くキックで守備を崩し、タッチダウンを狙う。

 司令塔のスタンドオフ中井星舟(3年)は昨年、新型コロナウイルス感染のため花園でのプレーがかなわなかった。念願の舞台でプレーできる喜びを胸に「冷静に相手の立ち位置をみて、攻撃をけん引したい」と気合を込めた。

 主将の川原田蒼士(3年)は「最高の舞台で最高の相手と戦える。力を出し切りたい」と勝利を誓った。

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