下北山村土砂崩れ、土砂中に別の1台 - 和歌山男性のナンバーと一致、人の姿確認できず

無人重機などを使って救助作業が続けられた=26日、下北山村上池原(県提供)

 奈良県下北山村上池原の国道169号で起きた土砂崩れに車が巻き込まれ、男性1人が救助された事故で、26日、土砂の中から別の車1台が見つかった。県警などによると、行方が分からなくなっている和歌山県の70代男性の車とナンバーが一致しているという。男性が取り残されている可能性があるとみて、県警や県広域消防組合が捜索活動を進めたが、日没のために中断。きょう27日午前7時30分に作業を再開する予定。

 土砂崩れ現場では26日午前7時から、斜面上部の不安定土塊と道路を覆った土砂の撤去作業が再開された。斜面上部の不安定土塊の撤去には無人のクライミングマシンを使い、南北2カ所の亀裂のうち北側の処理をほぼ終えて道路の土砂撤去を開始。その後、安全監視員を配置したうえで無人重機から有人重機2台に切り替えて作業を続けた。

 午後3時7分、土砂に埋もれた乗用車1台の後部ドアなどを発見。行方が分からなくなっている和歌山県の男性の車両とナンバープレートが一致した。人の姿は確認できておらず、救助隊の呼びかけにも応答はないという。

 午後4時すぎから、消防救助隊と県警機動隊計約40人がスコップによる手掘りの捜索活動を開始したが、日没で上部の安全確認ができない暗さになった午後6時30分、活動を打ち切った。

 県などによると、土砂と鉄骨のH鋼数本が車を押しつぶしている状態。車は原型をとどめておらず、ドアや天井と思われる部品などがバラバラの状態で見つかっているという。

 土砂崩れは23日夜発生。高さ約5メートル、幅約20〜30メートルにわたって道路を埋めた。

 堀宏道・吉野消防署長は「一刻も早くという気持ちだが安全が第一だ。限界ぎりぎり、最低限の安全が確保でき次第、救助活動を行う」と話した。

© 株式会社奈良新聞社