ゲストハウス「シャワーやトイレの水が出ない」 居酒屋「食器洗えず店じまい」 石垣島の断水、生活を直撃

 沖縄県石垣市は26日午後2時ごろから、全域で断水を実施した。市内の約95%をカバーする石垣浄水場のろ過装置に不具合が生じたため。家庭や店舗で水が出にくくなるなど住民生活に大きな影響が出ている。完全復旧のめどは立っていないが、機能がある程度回復したことから、午後5時ごろに給水を再開した。市は引き続き節水を呼びかけている。市は4カ所に給水車を配置した。市の求めに応じて県が災害派遣を要請し、陸上自衛隊石垣駐屯地も給水車を出動させた。(八重山支局・平良孝陽)

 市によると、23~24日ごろからろ過装置が詰まり気味になり、水量が低下。浄水を蓄える配水池の水を供給しながら対応していたが、量が足りなくなり、一時断水を実施した。

 詳しい原因は分かっていない。市担当者は「ここまで大規模な影響が出るのは初めて。対症療法的に対応している」と話した。

 市は軽トラックに大量の水を積んだ給水車を準備し、石垣中学校グラウンドや八重山農林高校前など4カ所に配置した。

 給水場所には、ポリタンクを抱えた市民らの列ができた。ゲストハウスの50代男性職員は「シャワーやトイレの水が出ない」と嘆き、宿泊客と共に水をくんでいた。30代女性は「2人の子どもがいるので、ちゃんと生活ができるか心配。これからコンビニへ行って水を買おうと思う」と足早に離れていった。

 石垣市内の居酒屋では夜になると水が濁りだしたため、早々に店じまい。経営する30代男性は「食器も洗えないし、経営的にも痛手。観光客もいるので早く復旧してほしい」と落胆していた。

自衛隊車両の給水車の前に並ぶ市民=26日午後9時40分ごろ、石垣市登野城

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