【早出し】ぬくぬく育って、シャキシャキ食感 「小野川豆もやし」収穫盛ん

温泉を利用して育てる小野川豆もやしの収穫作業=米沢市・小野川温泉

 米沢市小野川町で、温泉熱を利用して栽培する伝統野菜「小野川豆もやし」の収穫が盛んに行われている。ほんのりと湯気が立ち上る温泉での洗い作業は、この時期の風物詩となっている。

 シャキシャキとした食感と豆の香りの良さが特徴。6月から11月にかけて育てた在来種の大豆を、一晩温泉に浸し、砂を敷いた木箱にまき、温泉熱で発芽させる。内部は30度に保たれ、1週間ほどで収穫期を迎える。

 作業は午前5時ごろに始まり、生産者の鈴木巌さん(66)と妻道子さん(63)が根に付いた砂を温泉で洗い流した。温泉の恵みを受けた豆もやしは、一層つややかさが際立っていた。

 今年は猛暑の影響で大豆の収量が落ち込んだものの、品質は例年通り良好という。鍋やおひたし、みそ汁などで食卓に並ぶ。収穫は来年4月ごろまで。

温泉を利用して育てる小野川豆もやしの収穫作業=米沢市・小野川温泉

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