河北町役場に愛くるしい2匹のハリネズミが展示されている。庁舎隣にある町児童動物園でリノベーション事業が進められているための“一時引っ越し”で、すっかり来庁者の注目の的。夜行性で主に眠っている姿しか見られないが、無防備なその寝顔は、せわしない日常の中で心にゆとりを与えてくれる。「立ち寄ると癒やされ、また頑張ろうと思える」と話す町職員もおり、仕事に励む現代人をのんびり応援してくれる。
役場1階の町民ギャラリーに“引っ越し”してきた2匹は体の針から「うに」「くり」と名付けられ、共に雄。見分け方は背中の色がポイントで、うには一色であるのに対し、くりは一部が白い。
警戒心が強く体を丸めて寝るうにと対照的に、マイペースなくりは腹を見せながら寝ることが多い。来庁者は「かわいいね」と話しかけたり、寝相の違いからそれぞれの性格を想像したりして、その様子を見入っている。毎日午後4時ごろが餌の時間で、運が良ければ起きている姿を見ることができる。
外出先から戻った際にハリネズミを見ているという学校教育課の伊豆倉浩子さん(26)は「くっついて眠る2匹を見ると、思わず笑顔になる」。生涯学習課の後藤しおりさん(26)は「町のみんなに愛される“看板ハリネズミ”になってほしい」と話した。
リノベーション事業で建て替えが進む剥製動物館が完成する2025年春まで展示する予定。開庁時間は平日が午前8時半~午後5時15分。同動物園に仮設トイレができる来春までは、土日祝日の午前9時~午後5時も見ることができる。年末年始の29日~来月3日は閉庁。