柿の断面に見られる黒い斑点は悪者ではなかった!実はうれしいいろいろな効果ありの印だった!

秋から冬にかけて、おいしい果物のひとつが「柿」。そのまま食べるのはもちろん、サラダなどちょっとした料理に使っても最高ですよね。しかし、この柿、たまにカットすると黒い斑点や黒いしみのように見えるところがあって、これカビてる? これってはずれの柿? などと思ったりしたことはありませんか? ところがこの黒い点は悪者ではなく、逆にすごい効果のある証拠だったのです。さまざまな食材を扱う栄養管理士・フードスタイリストの寺島モエカさんにお話しをお聞きしました。

■黒い班点の正体は「タンニン」という効果抜群の成分だった

ずばり黒い班点は水に溶けない成分のタンニンというもの。柿タンニンは柿渋の素なのですが、高分子ポリフェノールということで、このポリフェノールは植物が虫や菌などの外的ストレスから自らを守る防御物質なのだそう。だから渋さを出しているのですね。しかし、この柿タンニンは他の植物由来タンニンには見られないいろいろな効果があるのだそうです。

■柿タンニンの効果はこんなにいっぱいあった!

最近ボディーソープやシャンプーなどにも配合されている柿タンニン、その効果のひとつは消臭なのです。本誌読者世代のお悩みでもよくあがる、加齢臭や体臭を抑えるということでも注目されているんです。また雑菌やウイルスから身を守る防菌効果や殺菌効果があるので、この季節にいただくのも理にかなっていますよね。さらにこの時季ならではの嬉しい効果も!タンニンは二日酔いの素でもあるアセトアルデヒドと結合しやすいので、この素を体外に排出して二日酔いにも効果があると言われています。つまり切った時に黒い班点があっても問題なく食べられるのです。

■おいしい柿の目安とおいしい保存方法はこれ!

持ったときに重みがあるヘタがきれいな緑色をしているものがおいしい証拠になるとのこと。そしておいしい保存方法は、濡れペーパータオルをヘタにのせて1つずつラップで包み、ヘタを下にして袋に入れる。野菜室で保存する、1~2週間はもつのです。また冷凍しても2か月ほどもつので、ほどよく溶かしてシャーベットのように食べるのもおすすめです。

(取材:西岡直美)

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