台湾客の誘致強化 茨城県 春節へ食や体験観光PR

茨城県の魅力を紹介した旅行博の県ブース=11月、台湾・台北市(県提供)

茨城県は2月の春節(旧正月)を前に台湾からの観光誘客を強化する。台湾全土で開かれる旅行博への出展に加えてPR動画を制作し、体験型観光や食の魅力などをアピールする。今年2月の大規模プロモーション以降、茨城県内への観光客は増えており、9月にはコロナ禍前の1.5倍に拡大。台湾全域に茨城県を売り込むことで、旅行需要の開拓を目指す。

県は今年2月、台湾・台北市で茨城県観光や食を売り込む展示即売会「いばらき大見本市」を開催した。県内の約40社・団体が参加した過去最大規模のプロモーションで、大井川和彦知事も自ら訪れ、観光や食などの魅力をトップセールスした。

本年度はさらに売り込み先を拡大している。11、12月には台北市に加えて、台南、高雄両市の旅行博にも茨城県ブースを出展。県内名所や体験型観光、豊かな食などを紹介し、「台湾全土からの誘客を図る」(県国際観光課)戦略を進めている。

大見本市で起用した台湾生まれで茨城県出身のタレント、渡辺直美さんによるPR動画も「体験」「観光」「グルメ」の3テーマで新たに制作した。テーマごとに各3~6分で袋田の滝の紅葉や竜神大吊橋のバンジージャンプ、笠間焼、地酒など幅広く紹介し、旅行博や現地旅行会社へのPRに活用する。

観光庁の宿泊旅行統計によると、台湾から茨城県を訪れた観光客は5月以降、コロナ禍前の水準を上回る。特に7~9月は2019年同月比で5~8割増と伸びが顕著で、直近の9月は45%増で約3千人に及んだ。同課は「大規模プロモーションの成果が出てきた」と手応えを示し、誘客を加速させる考えだ。

台湾では来年2月10日から春節を迎え、旅行需要の急増が見込まれる。「少なくとも3カ月前には、旅行商品をアピールする必要がある」(県担当者)ことから、茨城県の認知度向上に向けて売り込みを強化している。

県国際観光課は「台湾の消費者に集中的にプロモーションすることで、旅行需要の取り込みを図り、茨城県への誘客をさらに増やしたい」と意気込む。

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