「なつお」の挑戦 滝澤夏央選手の活動報告〈20〉3年目へ意気込み 1軍で結果を、日々アピール 地元で練習体づくり

今シーズンを振り返り、3年目の来シーズンの抱負を語る滝澤選手

プロ野球(NPB)、埼玉西武ライオンズの滝澤夏央選手(20、関根学園高出)が上越市に帰郷し、つかの間のリフレッシュと3年目の来季へ向けたトレーニングを行っている。今季は1軍で16試合に出場し、打率1割8分8厘、4月15日の初打席でプロ初本塁打をマークした。48試合に出場した1年目に比べ1軍の出場機会は大きく減ったが、イースタン・リーグ(2軍)で昨季の倍以上となる82試合に出場、打率2割3分と実戦経験を重ねた。新年は福岡でトレーニングした後、所沢で自主トレに臨む予定。全てにおいてレベルアップを目指す滝澤選手に、野球教室や後援会交流会などの際に聞いたやりとりをまとめた。

―今季を振り返って。

1軍で数字を残せず悔しいシーズン。ファーム(2軍)でも思ったような結果が出ず悔しい。

―一年を通じて1軍出場は減ったが、2軍戦は多く経験した。

昨年より倍近く試合に出させてもらって、正直体がしんどかった。一年間戦うことがこんなにもしんどいんだと。こういうことが分かったのはプラスに考えている。

―数字はどう見ているか。

数字は気にしていなかった。いい時も悪い時もあったが、全体を通してみればこの一年、思ったようにいかず、悔しかった。

―今季一番印象に残っているのは。

エスコン(フィールド)のホームラン、歓声やあの時の気持ちは忘れない。自分の中では完璧。今まで一番いい感覚だった。まさかこの体で1軍でホームランを打てると思っていなかったし、小さくても打てるということを少しでも見せられて良かった。

―シーズン後、みやざきフェニックスリーグで優勝した。来シーズンへの手応えは。

フェニックスリーグではたくさん試合に出て、優勝できた。優勝に貢献できたのはファームとはいえ、うれしかったし、達成感があった。これを1軍で経験し、貢献できるようにと感じた。

―打撃面で課題と捉えている点は。

全てレベルアップしないと。目指しているのはショートでレギュラーを取ること。打てないなりの仕事があると思うし、チームに貢献する、必要とされる選手になりたい。

―技術的にレベルアップを感じている点は。

自分の中では守備かな。エラーは倍以上に多かったが、守備率は今年の方が高い。守備の感触は良かった。

―これまでの2年間、1軍、2軍を含めて一番印象に残っている守備機会は。

(昨年5月13日に)1軍に上がって初めての守備機会がショートフライだった。初めて取ったアウトが今でも忘れられず残っている。

―目標という源田壮亮選手の存在や教わっていることは。

自主トレを一緒にやらせてもらい、(守備の際に)足を使うこと、グローブは勝手についてくると言われている。源田さんの次(の遊撃手)は自分だと思っている。源田さんがけがをした時などにいけるように準備していきたい。少しでも近づけられるように。

―大ベテラン、中村剛也選手や栗山巧選手の存在は。

中村さんと栗山さんは雰囲気が違う。いつ見てもすごいなと尊敬している。あんなバッティングができるんだと。本当に考えられない。すごいなと思う。

―仲のいい選手は。

今年入ってきた山田陽翔(はると)。(滋賀・近江高時代に)甲子園のスーパースターなのでみんな知っている。山田とはよく(食事などに)一緒に行く。愛斗さん(現役ドラフトでロッテに移籍)、山野辺(翔)さんともよく行く。

―野球教室などで子どもたちにどんなことを伝えたいか。

一番は野球が楽しいということを伝えたい。小さくてもできることを見せて、夢や希望を与えられるようにしたい。

―地元上越のファンの存在は。

地元に帰って来て、地元はいいなと思ったし、温かく応援してくださる皆さんのためにも結果で恩返しできるように。ファンの方がいてくれるからこその僕だと思うので、応援されるのは幸せ。地元の方のためにも活躍した姿を見せたい。

―上越での過ごし方は。

ここでは休みなしで練習して、夜は友達とご飯に行けたら。

―20歳になって変わったことは。

お酒を飲むようになった。結構好きかな。

―オイシックス新潟アルビレックスBCが来季から2軍戦に参入するが、どう受け止めているか。

一番は(自身が)2軍にいないことだが、2軍にいたら新潟でもプレーする機会があると思う。その時は成長した姿を見せられるようにしたい。

―関根学園の後輩、山田龍青選手(18)が入団したことへの思いは。

山田には電話をしておめでとうと伝えた。結構話すので、僕もうれしかった。いつか同じステージ(NPB)で一緒にできたらと思っている。

―3年目の来シーズンの意気込みは。

今シーズンは悔しい思いをしたので、来シーズンは1軍で結果を残せるように、このオフからしっかりとやっている。キャンプでアピールできるように。地元でしっかりと準備して所沢に向かいたい。とにかく1軍で活躍することが全て。一日一日必死にアピールする。

子どもたちと楽しそうに野球教室に参加する滝澤選手(9日、関根学園高体育館)

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