『タペストリー』『レインボーシックス シージ』『ポケモン』…声優アーティスト・高塚智人が大人になってハマったゲーム沼「別世界で別の自分が人生を楽しんでいるのがおもしろい」

「普段自分が生きているのとは違う世界で別の自分が人生を楽しんでいる。それがゲームのおもしろさ」

こう語るのは声優アーティスト・高塚智人さん

「幼少期から1番楽しかった」というゲーム。大人になった今でも健在で、FPS、Switchのゲーム、アプリゲームなど複数のゲームを同時並行でプレイしているそう。人生の大半は“ゲーム沼”にハマり続けている、生粋のゲーマーです。

そんな高塚さんが大人になってからハマったゲームも数知れず。お気に入りのゲーム作品を聞くと、ギャルゲー『タペストリー』FPS『レインボーシックス シージ』など出てくる出てくる……。

中でもより一層熱量高く話し出したのは、大人になって再燃したという『ポケモン』シリーズ。現在はシリーズ最新作の『スカーレット・バイオレット』に夢中とのこと。「一目惚れしたポケモンのことだけを、ずっと愛でている」というコダワリも。

そこで今回は、高塚さんがハマる“ゲーム沼”、“ポケモン沼”についてたっぷりと語っていただきました。

また、作詞に初挑戦したほか、高塚さんが好きな『アイマス』やギャルゲーの楽曲に関わる豪華クリエイター陣と二人三脚で楽曲を制作した、2023年12月13日発売の最新ミニアルバム『アイコトバ』のコダワリもお聞きしています。

FPS、Switchのゲーム、アプリゲーム、『たまごっち』を同時並行でプレイしている!?「一種の病気か!って感じです(笑)」

――高塚さんがハマっている“沼”は何でしょうか?

高塚智人(以下、高塚):
ゲームが好きです! 子どもの頃は、外で遊んだりカードゲームをしたりしていましたけど、結局ゲームが1番楽しくて。

物心ついた時から、休日は兄と一緒におばあちゃんの家で『ボンバーマン』をやったり、夏休みは朝から晩まで『三国無双』のレベル上げをしたりしていました。

中学生になると『モンスターハンター(以下、モンハン)』シリーズをずっとやっていました。『モンハン』は新作が出るたびに追い続けています。

シリーズものにハマると、狂ったようにやっちゃうんですよ(笑)。ほかにもFPSにめちゃめちゃハマりました。みんなで遊べるマルチプレイのゲームが大好きなんです。

あと、大人になってからはギャルゲーにもハマりました……。

――ギャルゲーは大人になってからなんですね!

高塚:
そうなんです。ギャルゲーって、ストーリーがとにかく泣ける作品が多くて……。胸を締め付けられるような切なさを、より濃厚に表現してくれるのが魅力的。僕は特に、男女の恋愛における切なさが大好きなのでハマってしまいました。

ちなみに、僕の1番好きなギャルゲー作品は『タペストリー(-you will meet yourself-)』です。この作品は役者仲間の熊谷健太郎くんから教えてもらいました。彼は僕の5倍くらいギャルゲーをやっているので、よくおすすめを教えてもらっています(笑)。

主人公が不治の病にかかって余命半年と宣告されるストーリーですごく泣けるんですよ。僕自身、確固たる好みのキャラクターがいるのですが、物語重視の作品においては好みのキャラクターのルートではなく、王道のメインヒロインルートからプレイするというこだわりがありまして。

『タペストリー』も同じようにプレイしたら、見事に泣きました。「このストーリーを浴びれて幸せ……」という気持ちです(笑)。

――気持ちの入れ込みようがすごい(笑)。好きになるとトコトンハマってしまうタイプなのでしょうか。

高塚:
ずっとやり続けてしまいますね。

ほかにも、FPSゲームの『レインボーシックス シージ』はかれこれ8年くらい止まらずにやっています

僕の同期に眞對友樹也って声優がいるんですけど、彼とずっとプレイしています。眞對は事務所に入ったタイミングもほぼ一緒。「『シージ』をやっているグループがあるから一緒にやらない?」と誘ってもらってから、その中の4、5人とは今もずっと一緒にやり続けています。

――いろんなFPSゲームが出ている中で、同じFPSを8年も続けていることがすごい……!

高塚:
『シージ』の場合、戦うのも楽しいのですが、友達と通話しながら適度に楽しめるのがいい。FPSゲームの中でも、バトロワ系(バトルロワイヤル)の場合は、1回始まるとプレイ時間が長いんですよ。1時間くらいずっと集中しないといけないゲームもありますしね。

だけど、『シージ』は1回の戦闘が短く、しかも戦闘の間に休憩があるんです。だから、Switchやアプリゲームとかと平行してプレイできちゃうという。

ここまでくると、「一種の病気か!」って感じですよ(笑)。

――複数のゲームを同時にプレイされているんですか?

高塚:
していますね。その時々でプレイするゲームは変わりますけど、例えばアプリゲームだとこんな感じ……(スマホを見せながら)。

――めっっっちゃやっているじゃないですか(笑)。『アイドルマスター(アイマス』」シリーズのアプリゲームが一通り入っていますね。これだけのアプリと並行してFPSやSwitchでも遊んでいるということは、1日どれくらいゲームをしているんですか?

高塚:
数えたくないくらいです(笑)。課金の額もそうですけど、数字にしたら自分が引いちゃうので、あえて見ないようにしています……。

最近はそれに加えて『たまごっち』も始めてしまいましたし……。

――なんと、『たまごっち』まで!(笑)

高塚:
初代『たまごっち』の復刻版を手に入れて、隙間時間にずっと遊んでいます(笑)。

――とはいえ高塚さん、お忙しいですよね。どうやってゲームの時間を捻出しているんですか?

高塚:
節度は守るようにしています(笑)。自分の身を削るほどはやっていませんしね。

仕事がある時は、前日からモードを作るためにゲームを手放しますし。大好きなんですけど、全然ゲーム断ちもできますよ!

――ゲーム断ちできるのはすごい! 高塚さんがそこまで沼にハマる、“ゲームの魅力”が気になるところです。

高塚:
僕、ゲームを1人でプレイできないんですよね。マルチプレイが好きだから、友達と話しながら何かをクリアしていくところに魅力を感じています。

あとは、ゲームの中でたくさんのドラマがあったり、仲間を助けたり仲間に助けてもらったり、現実では絶対にできないアクションをしたり……普段自分が生きているのとは違う世界で別の自分が人生を楽しんでいる。それがゲームのおもしろさだと思います。いわゆる中二病なんです(笑)。

大人になって『剣盾』で再燃! 『スカーレット・バイオレット』に夢中! 高塚智人の“ポケモン沼”

――さまざまなゲームをプレイされていますが、中でも今1番ハマっているゲームは何ですか?

高塚:
今1番ハマっているのは『ポケモン』です。僕は『ポケモン』ド世代かつ兄がいるので、 子どもの頃から自然とポケモンに興味を持っていたんです。

子どもたちみんなが注目しているゲームだったし、初期の『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されて、兄が赤を買ってもらったタイミングで、僕も緑を買ってもらいました。

そのあと、3シリーズ目の『ルビサファ(ポケットモンスター ルビー・サファイア)』のタイミングで、自分の中のブームがアクションゲームになったので、一度『ポケモン』から離れたんですね。

僕、マルチプレイが好きなのに、当時の『ポケモン』は基本1人用だったから、そういう意味でも全然やれていなくて。ほかにも、好きなポケモンだけを愛でるタイプというのもあり、 最新作の『ポケモン』シリーズに愛着が持てなかったんですよ。

――一度離れた作品に再びハマったのには何かきっかけが?

高塚:
3シリーズくらい『ポケモン』をプレイしていない期間があったのですが、Nintendo Switchの『剣盾(ポケットモンスター ソード・シールド)』で再熱しました。『剣盾』はマルチプレイでも楽しめますし、何より過去シリーズのポケモンが登場していて。「子どもの頃から愛でていたポケモンを再び愛でることができる!」と(笑)。

さらに、『(ポケットモンスター)スカーレット・バイオレット』で沼に落ちて、過去シリーズ全部クリア……って流れですね。

『スカーレット・バイオレット』は(発売から)1年経っていないのですが、12月14日にDLC「ゼロの秘宝 後編・藍の円盤」が出るので、 現役で楽しんでいます(笑)。

――高塚さんが愛でている推しポケモン、ぜひ知りたいです!

高塚:
ニョロモから始まって、今はフォレトスというポケモンが好きですね。あとは、『剣盾』で出会ったナットレイもめちゃめちゃ好きです。

丸っこいフォルムがベースのポケモンがすごく好き。一目惚れしたポケモンのことだけを、ずっと愛でています。

とはいえ、丸の中にちゃんとこだわりがあって。 ビリリダマとかプリンとかは、丸だけど少し違うんです。言語化するのが難しいのですが(笑)。

――お話を聞いていると『剣盾』『スカーレット・バイオレット』が特に好きな印象を受けますが、とはいえ『ポケモン』は20を超えるシリーズがありますよね。中でもお気に入りのシリーズをお聞きしたいです!

高塚:
大人になってから『(ポケットモンスター)ダイヤモンド・パール』以降を全部やったんですけど、中でも『(ポケットモンスター)ブラック・ホワイト』の『ブラック』がお気に入りです。

街の雰囲気を含め、世界観がすごく良くて。あと、御三家で僕の1番好きなエンブオーっていう豚のポケモンがいるのも大きい。かなり愛しちゃっています(笑)。 エンブオーの成長を見ながら戦うのが本当に楽しいんです。

あと、『ブラック』のストーリーは心に刺さりました。

――どんなストーリーなのか気になります!

高塚:
『ポケモン』って、時々重めなテーマのストーリーがあるんですよね。 中でも悪役みたいなボス敵は最低なキャラが多くて。「世界を壊す」くらいのことをしようとします。『ブラック』のボスキャラも、世界中のポケモンを奪って自分だけのものにしようと目論んでいるんですよ。

そんなストーリーだからこそ、ポケモンとの共存についても考えさせられます。「ポケモンはゲームの世界では当たり前の存在になっているけど、実はトレーナーとポケモンの関係って、トレーナーがポケモンを利用してるだけなのかな」とか。「ポケモンはトレーナーがいない環境で自由にした方がいいのかな」とか考えさせられました。

この辺りは、子どもの頃には絶対気づかなかった哲学的な要素だと思いました。今この年齢で改めてプレイして、すごく新鮮に楽しめたのは、本当に贅沢だなと思っています。

でも、1番おすすめなのは、結局『スカーレット・バイオレット』ですね。

――『スカーレット・バイオレット』の おすすめポイントはどこですか?

高塚:
マルチプレイ好きとしては、ゲーム友達みんなで同じ世界に入って、ウォーキングしたり、写真撮ったりしながら、『ポケモン』の世界で思い出をつくれるのがいいんですよ。僕はそれをめっちゃ求めていたから、今回ついにそれが実現してかなり楽しんでいます(笑)。

それこそ『レインボーシックス シージ』を一緒にプレイしている眞對とも『スカーレット・バイオレット』で遊んでいて。いつも「ポケモンやろうぜ!」と連絡しています(笑)。

彼とは同じ感覚でゲームができるからありがたいんですよね。『ポケモン』だと、バトルで高みを目指す人も多いけど、僕はまったくバトルをやらないので……眞對となら、ただバトルするだけじゃなくて、ウォーキングしたり、ポケモンと一緒にいい感じの写真撮ったりして楽しめる。ゲームの世界を共に過ごす仲間って感じです。

――競い合うのが得意ではない、ということなんですかね?

高塚:
FPSは好きなんですけど、こと『ポケモン』に関しては、戦うことに重きを置いていないんです。競い合って高みを目指すのも楽しみ方の一つだとは思うのですが、自分の好きなポケモンたちとバトルで上を目指すとなると、そもそものステータス的に難しい部分もあるから……。

子どもの頃は、とにかく可愛いポケモンを集めて戦わせることに終始していたので、強い技を覚えさせることがメインだったのですが、大人になった今はストーリーに注目できるから、そういう意味で子どもの頃とは少し違う楽しみ方をしているかもしれません。1個1個の戦いのドラマを感じながらプレイする感覚……というのかな。

――アクションを楽しんでいたところからストーリーを楽しむようになった以外で、子どもの頃と大人になってから『ポケモン』の楽しみ方に変化はありましたか?

高塚:
グッズを買う量が変わりました(笑)。

小さい頃から買ってはいたんですよ? 誕生日、クリスマスはポケモンセンターに行くのが恒例で、指人形とかフィギュアコレクションをずっと買って集めていました。

大人になっても引き続き同じことをやっているだけなのですが、自分で稼いだお金なので何も気にせず買ってしまって……ポケモンのぬいぐるみは、とんでもない量を保持していますね。100個は余裕で超えているかと。複数買うこともあるので、家の中が倉庫みたいになっています(笑)。

ベッドに「ぶわーっ!」と一定の数いて、さらにクリアボックスにも敷き詰めているので、引っ越した時が大変なやつです。

――片付けが大変そう(笑)。しかも、『ポケモン』って公式からの供給がずっと続いていますよね……?

高塚:
そうなんですよ! だから、どんどん部屋のスペースが狭くなっていっています。 グッズを買うのは我慢できないので、仕方ない……。

――供給がずっとあるというのは、幸せな一方で大変さもあるんですね(笑)。

高塚:
あはは(笑)。だけど、『ポケモン』はこうやって供給があるからこそ、少年の心をいつまでも忘れさせないでくれる。 子どもの頃の気持ちのまま楽しめるところも『ポケモン』の良さだと思います。

次ページ▼初の作詞に挑戦! 『アイマス』、ギャルゲー楽曲とコラボした最新ミニアルバム

初の作詞挑戦だけじゃない! 『アイマス』、ギャルゲー楽曲を手掛ける豪華クリエイター陣と二人三脚で臨んだアルバム制作

――ここからは、2023年12月発売のニューミニアルバム『アイコトバ』についても聞かせてください。まず気になったのは、アルバムのタイトルです。『アイコトバ』 は“愛の言葉”と“合言葉”の掛け合わせでしょうか?

高塚:
その通りです。実は、僕が唯一作詞したアルバム3曲目の「!!!!!!!!(エクスクラメーション)」の歌詞に「合言葉」というワードが出てくるんですよ。

タイトルを決める時に、前作『ホシノオト』がカタカナ5文字だったので、今回もそれに合わせたかったんですね。それで今回、僕が作詞した「!!!!!!!!」から、タイトルに合いそうな言葉を探しました。

――そもそも今回、作詞初挑戦ですよね。どういった経緯で作詞をすることに?

高塚:
アーティスト活動をやらせていただいている中で、ずっと作詞作曲に挑戦してみたいとは思っていたんです。作曲はともかく作詞ならそこまで難易度も高くないだろうと、今回アルバムを作るにあたって挑戦してみました。

だけど、実際書いてみると難しすぎましたね。作詞家さんへのリスペクトしかないです。

――「!!!!!!!!」には、ストレートな飾らない言葉が歌詞に綴られていて、作詞初挑戦とは思えないくらい素敵でした。

高塚:
ありがとうございます……!

「!!!!!!!!」では、自分自身と、自分を応援して支えてくれたファンの皆さんに向けて曲を作りました。もっとおしゃれにしたかったんですけど、ちょっと無理でしたね(笑)。

きっと作詞家さんだったらもう10パターンくらい伝え方が出てくるんですけど、僕は「とにかく(気持ちを)届けたい!」しか出てこなかったんですよ。分かりやすく例えるなら、“感謝の手紙”のような曲になりました。

――曲調はゲームのオープニングのようにキャッチーで、明るい気持ちになれます。

高塚:
たしかに! 「!!!!!!!!」は、曲を先につくっていただいたんです。僕は専門的な要望は出せないのでざっくりと、「ゲーム曲っぽい雰囲気やゲームの主題歌っぽさを出して欲しい」と作曲家さんにお伝えしていました。

つくっていただいた中から2曲で迷ったのですが、「ストーリー性のある曲調はこっちだから、この曲で作詞してみよう!」と今の曲を選んで、メロディに合わせて歌詞をはめ込んでいきました。

だから、より難しかったんだろうなって。とはいえ、作ったものに気持ちを込めて歌うのは得意なので、この作り方でよかったとも感じています。

――今回はさまざまな作詞家・作曲家・編曲家の方との二人三脚で曲を作られていますよね。

高塚:
そうなんです。「僕らのアンサー」と「My words of love」は、藤本(記子)さんと福富(雅之)さんというご夫婦で作詞作曲・編曲をされている方たちに作っていただきました。僕が好きな『アイドルマスターミリオンライブ!』でも多くの名曲を作っています。

そんな2人にお会いする機会があって、ソロで活動していることを話したら、「作詞作曲できたら嬉しい」と言ってくださって。名刺もいただいたので、今回アルバムを制作するにあたってダメ元でオーダーさせていただきました。そしたら、2曲とも了承してくださったんです……!

お2人の曲のキャラクターへの寄り添い方にずっと感動していたので、今回ご一緒できたことは本当に嬉しいです。

――それは嬉しいですね。藤本さん、福富さんに曲をつくっていただくにあたって、高塚さんはどのようなオーダーをしたんですか?

高塚:
「エモさのあるロックな曲」「おしゃれで切ないバラード曲」とかなりざっくりお願いをして。お2人なら絶対理想の曲を作ってくれるだろうと思っていたら、想像以上のアウトプットで「さすが」の一言でした。

エモさのあるロックな曲「僕らのアンサー」は、本当に前向きになれる曲です。寂しい気持ちやエモーショナルな気持ちを織り交ぜながらも、最後には未来に向かって前向きな気持ちになれるような曲になったと思います。

リリイベで歌った時は、みんなの笑顔を見ながら歌ったこともあって、レコーディングの時のエモさとはまた違う、楽しく前向きな気持ちで歌えた気がします。そういう気持ちの変化に寄り添っていろんな色を見せてくれる曲だと感じました。

――一方、「My words of love」はバラード曲。ガラッとテイストが変わります。

高塚:
僕は音楽ジャンルの中でもバラードが特に好きなんですね。藤本さんと福富さんにお願いしたもう一つの理由に、シンガーソングライターとして活動されているので、「エモいバラードが得意なんじゃないかな?」と勝手な推測もあって(笑)。

『アイドルマスター』のキャラソンの時も、お2人のつくるバラード曲に心を掴まれたので、今回はバラードをお願いしたいなと。切ない曲や感情を込めた曲が大好きなので、「聴きながら浸ってもらいたい」と思いながら、レコーディングで歌いました。

実は、藤本さんと福富さんもレコーディングに来てくださったので、当日は緊張しましたが……。

――好きな方たちの前で、その人たちがつくってくれた曲を歌うのは緊張しますね……!

高塚:
本当にその通りで(笑)。でも、楽しくまっすぐ歌えたと思います。

1人の音楽好きとして、「僕らのアンサー」と「My words of love」は、仮に自分が歌う曲じゃなかったとしても本当に良い曲だなと感じています。藤本さんと福富さんの楽曲、絶対にまた歌いたいです!

――続いて、アルバム4曲目の「story tears」についてはどうでしょうか?

高塚:
前回のアルバムで「強がりヒーロー」という曲を作っていただいた、ボカロPとしても活動しているTeary PlanetチームのNanaoさんにお願いしました。「強がりヒーロー」が大好きで、次の機会があったらまたぜひお願いしたいと思っていたんです。

前回は色々オーダーをしたんですけど、今回はNanaoさんの自由に作っていただこうと思って、ボカロっぽい音や得意とするスタイルで作ってもらいました。

「強がりヒーロー」もそうでしたけど、Nanaoさんの言葉選びって本当に僕が言語化できないものを全部表現してくれるんですよ。前向きな力強い歌詞で、僕のポジティブな性格を表してくれていると思います。

また、Nanaoさんらしさのある、力強くて爽やかな最高の曲になっています。アニソンやボカロが好きな人には刺さるんじゃないかな。皆さんを明るいパワーで引っ張っていくような曲ができたと思います。オーダーしていないのに、僕が求めていた曲そのものみたいな感じでしたね。

――高塚さんが求めていた曲そのものということは、レコーディングも楽しく歌えそうですね。

高塚:
本当にそう。レコーディングも曲がいいと楽しく歌えるんですよね。この曲も楽しく歌いました。

広いところで歌っているイメージと言いますか……。ライブとかで歌えたら楽しいんだろうなと想像しながら気持ちよく歌わせていただきました。

――5曲目の「Reclaim the sky」は、物語性のある曲ですね。

高塚:
この曲は、“僕の趣味”として歌いたかった曲です。PCゲームやギャルゲーの音楽を作っているproject lightsの仲村(芽衣子)さんに作詞、丸山(公詳)さんに作曲をお願いしました。

丸山さんとは以前『スチームプリズン』という乙女ゲームのレコーディングでお会いしました。ソロで活動することになった時、「丸山さんが普段作る男性向けゲームっぽい曲を歌いたい」と思っていたので、念願叶いました。

丸山さんがこれまで手掛けてきた楽曲から「こんな雰囲気の曲がいい」と選ばせてもらって。自分の中で、ストーリーを作りながら歌いました。

――ぜひギャルゲーの主題歌として使ってほしい1曲ですね!

高塚:
それはもう本当に……!ギャルゲー大好きな僕としては、ギャルゲーの曲に憧れがあったのでとても嬉しかったな……。

「いつかは男性ゲームのオープニングなどをよく歌われるような女性のアーティストに歌ってほしいな」という願いもあったりします(笑)。

――女性アーティストさんが歌うとまた違う雰囲気になりそうですね! では、アルバム最後の「High 5」はどんな曲になりましたか?

高塚:
「!!!!!!!!」でも作曲・編曲を担当してくれたWEARTさんは、前回のファーストアルバムでお世話になった方です。多様な曲を生み出してきたチームのみなさんに、今回「High 5」は、ライブの最後に歌えるような、みんなで楽しめる曲を作りたいと思い、お願いしました。

ライブで盛り上がるクラップ曲です。レコーディングも本当に楽しくて、ライブを想像しながら歌いました。

――こうして5曲揃うと、とてもバラエティ豊かなアルバムだなと思いました。全部リード曲でも良いくらい素晴らしいクオリティですね!

高塚:
嬉しいです! なので、リード曲選びも相当悩んで、全曲を揃えてから選びました。

本業でアーティスト活動をしている方はアルバムをたくさん出す機会があるかもしれませんが、僕は声優として活動しているので、次にいつアルバムをリリースするか先が見えないんですよね。だからこそ、いろいろなシチュエーションで聴ける曲を多く入れたかったという思いがあります。

夕日が綺麗な時間や朝、ゆっくりしたい休日、ドライブ中……さまざまなシチュエーションに合う曲を作って、皆さんの日常の中でいつでも聴けるアルバムになったと思います。

「クリスマスソング、家族に向けた曲、飼っていた猫に捧げる曲の作詞に挑戦したい!」

――声優の活動と歌手活動を並行している高塚さんですが、それぞれの活動同士が影響を与えていることはありますか?

高塚:
表現するという点では、どちらも同じだと思っています。僕は小さい頃から歌が大好きで、部屋にこもってGLAYやサザンを歌いまくっていたんです。その感情表現が、芝居に繋がっていきました。

結果的に今、声優とアーティストとして活動していますが、歌うことでお芝居とは違う表現ができているので、両方が上手く作用しているのだと思います。

――お芝居、歌のほかに、今回のアルバムから作詞という「書く」表現にも挑戦していますよね。新しい表現への挑戦はいかがでしたか。

高塚:
歌詞を書くのは本当に難しい……! 芝居をしているから色々な言葉を知っているはずなのに、それが歌詞に繋がらないんですよね。エモーショナルな歌詞を書こうと思ってメモを取っていたのですが、昔の黒歴史みたいになっちゃって……振り返っても、ちょっと恥ずかしくなってしまいます(笑)。

――そのメモに何が記されていたのか気になります(笑)。また作詞をする可能性はありそうですか?

高塚:
今後、作詞で書いてみたいテーマは3つあります! クリスマスソング、家族に向けた曲、そして実家で飼っていた猫のラッキーに向けた曲も書けたら嬉しいですね。

特に親への感謝は、歌で表現したいんです。自分の人生の中で、素敵な歌を教えてくれたのも親なので。今も新曲をリリースするたびに聴いてくれているので、家族に向けた曲をつくった時にはあえて事前に何も伝えずに、「あれ?これって……」とビックリさせたいと思っています(笑)。

――素敵な目標ですね! それでは、今日のお話では“推す側”としての高塚さんの姿について伺いましたが、最後に“推される側”として声優活動と歌手活動の2つの“推され方”に感じる違いを教えてください。

高塚:
推されるのはどちらも嬉しいことに変わりはないんですけど、歌手活動の場合、作品のキャラクターを通さずに、“高塚智人”として推してもらえる嬉しさはありますね。

声優としての僕を推してくださる場合、キャラクターを通した高塚が好きと言っていただくことが多いですが、歌手活動では僕個人として好きになってもらえる。それは違う嬉しさを感じます。

どんな業界でもそうですが、特に芸事は応援してくれる人がいないと成り立たない仕事だと思うんです。だからこそ、受け取ってくださる方への感謝を絶対に忘れたくないですね。

今回のアルバムでは、“歌手・高塚智人”としての感謝の気持ちを歌に込めて、皆さんに届けられたらと思っています

(執筆:すなくじら、取材&編集:阿部裕華、撮影:小川遼)

『アイコトバ』リリース概要

高塚智人 2ndミニアルバム『アイコトバ』
2023年12月13日 リリース

-CD収録内容-
1.僕らのアンサー
2.My words of love
3.!!!!!!!!
4.story tears
5.Reclaim the sky
6.High 5

-M-CARD収録内容-
1.「僕らのアンサー」Music Video
2. 撮影オフショット前編
3. 撮影オフショット後編

●初回限定盤

CD+M-CARD
¥3,300(税込み)
MUCD-8177/8

●通常盤

CD Only
¥2,200(税込み)
MUCD-1519

高塚智人PROFILE

高塚智人(たかつか・ともひと)
1992年8月25日生まれ、東京都出身。A型。

高塚智人 アーティストページ:https://dreamusic.co.jp/artist/tomohitotakatsuka/
高塚智人 公式X(旧:Twitter):https://twitter.com/tomohito0825
高塚智人 アーティスト公式X(旧:Twitter):https://twitter.com/takatsuka_staff

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