マクラーレンGTの後継モデル『GTS』が登場。パフォーマンスと実用性を兼ね備えた新型スーパーカー

 マクラーレン・オートモーティブのスーパーカー・ラインアップに、4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジンを搭載した『マクラーレンGTS』が新たに加わった。

『GT』の後継モデルとして登場した新型スーパーカー、マクラーレンGTS。2024年のデリバリー開始に向け、すでに注文受付が開始されているこのクルマの特長について、マクラーレン・オートモーティブのマイケル・ライターズCEOは次のように語る。

「GTSは、マクラーレンならではのドライビング・ダイナミクスとパフォーマンスに加え、洗練性と実用性を高次元で融合させています」と同氏。

「真のドライビング・エクスペリエンスをお愉しみになりたい時には、GTSがそれをかなえます。また週末の旅行など、リラックスした長距離ドライブを愉しみたいときにも、GTSが理想的なパートナーとなることでしょう。マクラーレンのレーシングDNAに忠実でありながらも、いつくもの能力を兼ね備えたモデル、それがマクラーレンGTSなのです」

エクステリアの“ステルス・バッジ・パック”オプションを選択すると、新たなサイド・バッジを含むGTSバッジを黒で仕上げることが可能。“ビジュアル・カーボン・ファイバー”のオプションにはアンダーボディのカーボン・パックも設定されている

 GTに与えられたエレガントなラインをエアロダイナミクス・パッケージやシルエットのベースとして引き継ぎながら、よりいっそう力強いデザインとなった新型モデルを支えるのは、マクラーレンの十八番とも言えるカーボンファイバー製モノコックシャシーだ。高い強度と剛性を誇る超軽量構造のシャシーに加え、標準のコンポジット製ルーフにも再生カーボン・ファイバー製が用いられるなど、このクルマの構造部には多くの軽量化ソリューションが施されている。

 その結果、GTSのDIN重量は1520kg(乾燥重量1456kg)に抑えられ、パワーウエイトレシオで418PS/tというセグメントトップの数値をマークするに至った。620PSから635PSへとパワーアップしたM840TE型4.0リットルV8ツインターボエンジン側の出力向上もこれに寄与している。軽量ボディとよりパワフルなエンジンの採用により、GTSの0-200km/h加速は先代を凌ぐ8.9秒に。0-100km/h加速は3.2秒となっている。トップスピードは326km/hだ。

 足回りでは“コンフォート”、“スポーツ”、“トラック”という3種類のモードを搭載し、走行環境に応じてサスペンション特性を変化させることができるモンロー製のインテリジェント・アダプティブ・サスペンションを採用する。スーパーカーでありながら前方、後方ともに良好な視界が確保されているため、都心部でも快適な走行が可能だ。また、最大20mmの車高調整ができる車両リフト機能はシステムの強化によって、フロントノーズの昇降時間が従来の半分となる約4秒で完了する。

 実用的なスーパーカーであるGTSのラゲッジスペースは、リヤに420リットル、フロントにも150リットルの収納スペースが設けられ荷室容量は合計570リットルが確保された。キャビンでは、パフォーマンスとラグジュアリーを感じさせる厳選された素材が組み合わされ、洗練された上質な空間が演出される。その中でも標準仕様のほかレーシーな“パフォーマンス”と、マクラーレンらしいモダンなアレンジが効いた“テックラックス”という、デザインと素材が一新されたインテリア・スキームも設定された。

 専用の外装色ラヴァ・グレーをはじめ、新色のマンティス・グリーン、タンザナイト・ブルー、アイス・ホワイトがカラーパレットに追加されたマクラーレンGTSではこのほか、GTSバッジを黒で仕上げることができる“ステルス・バッジ・パック”や、アンダーボディやエクステリアのディティールがカーボンファイバー仕上げとなる“ビジュアル・カーボン・ファイバー”などのオプション、さらに専用のターバイン鍛造アロイホイールなどが選択できるパーソナライゼーションのオプションも刷新されている。

インテリアの内張りも選択肢がアップデートされ、シートの選択肢にソフトグレイン・アニリンレザーと、ダブルパイピング・パターン、新しいコントラスト・ステッチが追加された
特徴的な“ハンマーヘッド”のフロント・バンパーのスタイリングも刷新され、エアインテークも新しいフォルムに変更された
ブレーキディスクは、フロントが390mm、リヤ380mmでどちらもカーボン・セラミック製。フロント6ピストン、リヤ4ピストンのキャリパーは軽量なアルミニウム製が採用された
V8ツインターボの最高出力は635PS。パワーウェイトレシオはクラストップの418PS/tを誇る

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