Jリーグ、2023年にサポーターを最も驚かせた衝撃移籍の7人

2023年シーズンが終了したJリーグ。ここでは、サポーターたちを仰天させた今季の移籍劇を振り返ってみる。なお、フアン・マタのような国外からの加入は除いて、Jリーグ間の移籍に限定した。

加藤陸次樹

セレッソ大阪→サンフレッチェ広島

セレッソ大阪のエースFWに成長していた加藤陸次樹のシーズン途中での国内移籍には誰もが驚いた。

元々は広島ユース出身。トップ昇格できず、大卒後の復帰も叶わなかった。1シーズンJ3の金沢で活躍した後も広島からはオファーがなく、大阪の地でその雪辱に燃えていた。

だが広島への深い愛情は変わらなかったようだ。オファーを受けるとすぐに快諾し、終盤戦の巻き返しに大きく貢献している。

ちなみに、広島では背番号51を背負ったが、その理由は、小さい頃に野球をやっており、好きだったイチロー選手への憧れから。

森島司

サンフレッチェ広島→名古屋グランパス

加藤陸次樹と同じく広島ユース出身である森島司の名古屋入りは、今年一番と言っていいほどの大型移籍だろう。

日本代表の経験があり、一時は海外への移籍も噂されたほどの逸材。その海外移籍を封印しての残留は、広島に骨をうずめる決意の表れかとも思われた。

しかし恵まれた環境での成長速度への不安が電撃移籍の決め手になった。三重県出身で名古屋のジュニアユースに所属した過去もまた、それを後押ししたことだろう。

また、名古屋FWマテウス・カストロがその直前にサウジアラビアリーグに移籍した影響もあったはずだ。

バスケス・バイロン

東京ヴェルディ→FC町田ゼルビア

ともに来季のJ1昇格を決めた町田とヴェルディ。今年7月9日に国立競技場で両者は激突したが、その3日前に決まったバスケス・バイロンの電撃移籍はまさに衝撃的だった(登録期間外だったため試合は欠場)。

彼にとって町田を率いる黒田剛監督は青森山田高校時代の恩師であり、本人も「移籍の一番の決め手になったのは『黒田監督がいること』でした」と明かしている。

ヴェルディの昇格が決まる前には「もちろんヴェルディにいた時もJ1昇格しか目指していなかったので、そこは素直に上がってほしいというのはあります、はい。こんなことを言ったらまたちょっと…『お前が言うな』と言われてしまうと思うんですが、陰ながらこっそりとちょっと応援します」とも語っていた。

柳貴博

無所属→FC琉球

2022年8月、道路交通法違反(酒気帯び運転)によって、北海道コンサドーレ札幌からレンタル移籍中だったアビスパ福岡を契約解除になった。

決まっていた福岡への完全移籍が消滅したうえ、札幌からも契約解除に…。その後、無所属期間を経て、2023年3月にJ3の琉球と契約を結んだ。

ある意味でJ1からJ3への移籍となった柳は、背番号99をつけた琉球で32試合に出場。2024年シーズンからはJ2ファジアーノ岡山への移籍が決まった。

「FC琉球に助けてもらわなければ自分のサッカー人生は終わっていました。この数カ月間、日々感謝の気持ちを忘れず一生懸命取り組んできたつもりです」とのコメントを出している。

昌子源

ガンバ大阪→鹿島アントラーズ

高校時代は無名ながらインターハイで地元茨城県代表を視察した鹿島の椎本邦一スカウトに発掘された昌子。

トゥールーズ、ガンバを経て、5年ぶりに古巣に電撃復帰した。ベテランとして精神面での支えにはなっていたはずだが、関川郁万にポジションを奪われることに…。

2024年シーズンにJ1に初昇格する町田ゼルビアへの移籍が決まり、1年で鹿島を去ることになった。

福田翔生

Y.S.C.C.横浜→湘南ベルマーレ

昨季まではキャリア通算0ゴールだったが、今季加入したY.S.C.C.横浜ではFWとして覚醒して11ゴールと大暴れすると、8月に湘南に引き抜かれた。シーズン中にJ3からJ1に移籍するのは相当なレアケース。

ガンバ大阪には兄である福田湧矢が所属しており、今年は時期的な関係で実現しなかった兄弟対決が2024シーズンに見られるかもしれない。

杉本健勇

ジュビロ磐田→横浜F・マリノス(レンタル)

FIFAからの補強禁止処分で新戦力の補強ができなかった磐田。

そういったなかで古巣であるF・マリノスに移籍したことが話題になったが、本人は「このタイミングでの移籍は僕自身も予想していない出来事でした。クラブの気持ちも自分なりに感じたうえで、この決断になりました」とコメントしていた。

この冬、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2024年/アタッカー編)

杉本がリーグ戦8試合で1ゴールに終わった一方、磐田はJ1昇格が決定。来季の去就も注目されそうだ。

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