「東大寺サミット」岡山で初開催 26年度、関係自治体が交流

記者会見で東大寺サミット開催を表明する大森市長

 岡山市の大森雅夫市長は27日の定例記者会見で、奈良市にある世界遺産・東大寺の創建や大仏建立に関わった自治体が交流を深める「東大寺サミット」が2026年度に岡山市内で開かれることが決まったと明らかにした。岡山県内での開催は初めてとなる。

 東大寺サミットは所在地の奈良市をはじめ、寺や大仏に使う木材や金、瓦を供給した自治体による実行委員会が、聖武天皇の「国分寺建立の詔(みことのり)」(741年)から1250年に当たる1991年から開催。東大寺に関係する自治体が知恵を出し合い、郷土の歴史や文化遺産を活用した魅力ある地域づくりを進めることを目的に、現在は加盟16市町が持ち回りで開いている。

 岡山市は2023年度に加盟した。市によると、12世紀後半の源平合戦で焼け落ちた東大寺再建の命令を受けた僧の重源(ちょうげん)が、良質な粘土が豊富だった旧瀬戸町万富地区で瓦の生産を指揮。重源の死後は親交があった茶祖・栄西=岡山市出身=が引き継いだとされ、JR万富駅の北約400メートルにある万富東大寺瓦窯(かわらがま)跡は国史跡に指定されている。

 岡山でのサミットでは基調講演やシンポジウムの開催を想定し、詳細を検討する。大森市長は「窯跡は古くから岡山がものづくりのレベルが高かったことを示す象徴。サミット開催により岡山の魅力を全国に発信したい」と述べた。

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