CIA、中国スパイ網を再構築へ 習氏実権で協力者は処刑や投獄

CIAのバーンズ長官=9月、ワシントン(ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナルは26日、中央情報局(CIA)が2010~12年に壊滅状態となった中国でのスパイ網の再構築に苦心している実態を報じた。盗聴や電子メールの情報に頼っているが、指導部の政策を知り得る協力者からの情報には及ばない。台湾問題や経済覇権で対立が固定化する中、諜報体制の拡充を急ぐ。

 国家主席の習近平氏が共産党総書記に就き実権を握った12年にかけ、中国はCIAが築いたスパイ網の壊滅を進め、協力者20人程度が処刑されたり投獄されたりした。指導部高官も含まれたとされる。それ以降「指導部の考えがほとんど取れない」(米情報当局の元高官)状況が続いている。

 CIAのバーンズ長官は21年の就任後、中国情報を一括して収集・分析する「中国任務センター」を設置した。中国側の警戒が厳しく中国国内での協力者獲得が難しいため、第三国に赴任している中国の政府関係者や経済人を取り込む方法が取られている。

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