「本気で調べたんか?」高島屋 クリスマスケーキ崩壊問題での“あきらめの早さ”に広がる波紋

(写真:時事通信)

12月27日、クリスマスケーキの一部が崩れた状態で購入者に届いた問題で、高島屋が記者会見を実施した。販売した2879個のうち、崩れていたことが判明したのは26日夜時点で北海道から沖縄までの807個にのぼったという。

しかし、商品の製造委託先と配送委託先にそれぞれ確認を行ったものの、いずれも問題はなかったとして、「原因の特定は不可能」との見解を示した。

高島屋は昨年も全く同様のケーキを販売したが問題は確認されなかったと説明。昨年との変更点は、イチゴの入荷が遅れたことでケーキの凍結時間を昨年の2週間から、20~25時間と大幅に短縮したことだという。しかし、製造委託先からは、事前の凍結試験や保管期間中のサンプル検査などでは問題は確認されなかったという報告を受けたとコメントした。

また、配送委託先の調査についても、製造工場への集荷から客への配送までの全工程において規定の温度で管理されていたとの報告を受けたという。そうした調査報告を受けて、「総合的に確認した結果、原因の特定をすることは不可能という苦渋の判断に至った」と説明した。

■やわらかい状態で崩れていた事例も…固まって崩れていた事例も…

破損の状況については、本来凍った状態で届くべきところ、“柔らかい状態で崩れていた”事例も、“崩れた状態で固まっている”事例もあったという。ピンポイントでの原因の特定は無理でも、可能性は上げられないのかとの記者からの質問に対しては「特定をするだけの明確な根拠を見出すことが不可能」と断じ、「一連のプロセスのどこかのポイントで何らかの問題があったと捉えている」と実質無回答に。「当時と全く同じ環境を再現することは現実的には不可能」であるため「原因の特定は不可能」との結論を繰り返した。

「今回委託先の会社からの調査報告を聞き取っただけで、高島屋が主体となった立ち入り調査なども行なっていません。正直、原因の究明をする強い意思が感じられず、とにかく再発防止さえできればいいというような印象を受けました。

再発防止案として管理体制の強化を上げていますが、原因の可能性すら示せないのであれば、再発防止もできるのかと消費者が不安になるのは当然です。協力企業を守りたいという思いがあったのかもしれませんが、それでももう少し違った発表の仕方があったのではないでしょうか」(経済部記者)

たった数日の調査による「原因不明」との発表に、SNS上では髙島屋への不信感を募らせる声が続出している。

《高島屋の2日だけ業者任せの調査して、原因特定不可能ってのはよろしくない気がする》
《高島屋…記者会見してたけど…何の為に出てきたの?これじゃ、来年どころか、高島屋のケーキは製造から駄目なのかもしれないので…買わないよね》
《この段階で原因不明って発表したのはまずったよなぁ。ぜんぜん調査していない、あるいはまずい事が判ったってことがバレてしまったような・・・》
《「原因不明」これじゃ何のための会見だかわからない。むしろ会見することにより不信感招かないかな》
《髙島屋のケーキ、原因特定出来なかったってやばくない??本気で調べたんか…?》

購入者への真摯な対応には老舗の誠実さを感じるだけに、もったいなさの残る会見だった。

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