正月用食材 野菜や魚介は例年並み 岡山県内、数の子などやや高値

レンコンやクワイなど正月用食材が並ぶ岡山市内のスーパー

 年の瀬も押し迫り、おせちや雑煮で使う食材の販売が岡山県内のスーパーで大詰めを迎えている。数の子など一部品目がやや高値となっているものの、野菜、魚介類ともにおおむね例年と同程度の価格に落ち着いている。

 スーパー各社によると、紅白なますや煮しめ、雑煮などで使う野菜の価格はほぼ例年並み。金時ニンジン1本130~180円▽ゴボウ1本200~300円▽レンコン100グラム100円程度▽サトイモ1袋260円程度▽クワイ5~8個500円程度▽ユリネ1個160~200円▽ホウレンソウ1束200円程度―などとなっている。

 岡山市中央卸売市場の関係者によると、今夏の記録的な猛暑の影響で根菜類が小玉傾向となるなど総じて入荷量が減り、市場価格は5%ほど高くなっている。それでも、あるバイヤーは「正月用食材は売り切る必要がある。相場が高くても利益を削り、店頭価格を据え置いた」と話す。

 水産物では高級食材の一つ、ズワイガニが今年は手が届きやすい。ウクライナ侵攻の経済制裁で米国が昨年6月、ロシア産を禁輸にしたため、日本の輸入量が増加。冷凍ボイルが100グラム540~600円で昨年より2、3割安いという。焼き物として欠かせないブリ(養殖)は100グラム300~400円。モジャコ(稚魚)の不漁で高騰した昨年より2割ほど安く、例年並みに収まっている。

 一方、子孫繁栄を願う数の子は中心価格帯が100グラム800~900円程度と例年より1割ほど高い。北米産が主力だけに円安で輸入コストがかさみ、ニシンの不漁も響いた。カキも資材高の影響を受け、むき身1袋(150グラム)が約2割高の約500円で並んでいる。

 同市場の競り最終日は青果が29日、水産が30日。市場関係者やスーパーのバイヤーは「現段階では大雪や大しけの予報はなく、年内は小売価格に大きな変動はないだろう」としている。

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