如来・菩薩3体の版画や書簡発見 県重文の木像頭部内、広島

明王院にある木造弥勒菩薩坐像の頭部から見つかった仏教版画の束(広島県福山市提供)

 広島県福山市の明王院は27日、木造弥勒菩薩坐像(県重要文化財)の頭部から如来や菩薩の3体が並んだ仏教版画の束が2冊と、墨で書かれた書簡の計3点が見つかったと発表した。

 同院によると、版画は型に彫られた、人々を幸せに導く釈迦如来と病を癒やす薬師如来、万人を救う地蔵菩薩が並んだ絵柄で和紙に複数押されていた。書簡は日付や名前から、誰かに宛てた手紙とみられる。

 調査に携わる徳島文理大の浜田宣教授は、五重塔の建立時期と作風から、版画や書簡は「南北朝時代のもの」と推定。

 南北朝時代に建立した同院にある国宝・五重塔の本尊である仏像を7月から解体修理していた際に見つかった。

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