民間抑留者の苦難知って 映画化でカザフの娘来日

旧ソ連抑留者、阿彦哲郎さんの両親の墓に手を合わせる長女イリーナさん(左)=15日、山形県酒田市

 第2次大戦後、民間人として住んでいたサハリン(旧樺太)で旧ソ連当局に逮捕されて中央アジア・カザフスタンで抑留され、現地で2020年に89歳で死去した阿彦哲郎さんの長女イリーナさん(57)が映画「阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人」の12月22日公開を機に来日した。阿彦さんの両親が永眠する山形県酒田市などを訪れ「父の過酷な人生を知ってほしい」と訴えた。

 阿彦さんは1948年、10代でスパイ容疑をかけられ、鉱山などで体重が半減するほどの重労働を強いられた。

 旧ソ連による日本人抑留者57万5千人は大半が旧軍人で、民間人は数千人。組織的な抑留ではないこともあり、実態はあまり知られていない。

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