「いたたたたた」思わず悶絶 立っているのもしんどい…男性記者が“生理のつらさを体験してみて”わかったこと

あなたは「生理」について、どのぐらい知っていますか。近年、生理休暇を導入する企業が増えていますが、男性はなかなか生理に対する理解が難しいのも事実です。そこで「生理ってどれくらいつらいのか?」男性の記者が考えてみました。

【写真を見る】「いたたたたた」思わず悶絶 立っているのもしんどい…男性記者が“生理のつらさを体験してみて”わかったこと

<10代女性>
「体育の時とか、男の先生とかだと生理って言いにくかったりして、言わないと『なんで休むの?』って言われたりして」

<20代女性>
「職場は男性が多いんですけど、お腹痛そうにしてると『大丈夫?』とかそういうのもあるので、以前よりは理解が増しているのではないかなと思います」

時代とともに少しずつ理解が広まりつつも、依然として生理痛でつらいと言い出しにくいのが現状です。

「何にもわかってないじゃないですか」

浜松市立高校3年生の戸田涼太さんと杉浦杏菜さん、学校の放送部で活動する2人は部活動である番組を制作しました。タイトルは「生理は、僕にはないけれど」。戸田さんが企画し、制作代表を務めました。

<女子生徒>
「戸田はちゃんと生理のことについて知ってるんですか?」
「月に何日あるか知っていますか?」
<戸田さん>
「1日ですよね…」
<女子生徒>
「違いますよ!何にもわかってないじゃないですか」(作品より)

8分間の作品の中で、戸田さんはナプキンの装着を体験。さらには、生理痛のつらさを特別な装置を使って体験しました。番組を作ったことで、部内でも目に見える変化があったといいます。

<浜松市立高校放送部 杉浦杏菜さん>
「私は部長で部員から休みの連絡を受けるのですが、生理痛がひどいからっていう理由で部活を休むという連絡が増えた。増えたというよりも、もともとはまったくなかった」

<浜松市立高校放送部 戸田涼太さん>
「男性は男性として、生理を知るということをまずやってほしいなっていう感じで、ちょっとでもいいので。助けになってあげられるようなことができればいいかなと思います」

番組作りには、奈良女子大学が協力しました。生理痛を体験する装置の開発した佐藤克成准教授もそのひとりです。

<奈良女子大学工学部 佐藤克成准教授>
「この電極パッドを腹筋のあたりに貼ります。この電極パッドから腹筋に電気を流すことで月経痛を疑似的に再現する」

電気で生理痛の際に起こる子宮の周りの筋肉の収縮を再現するのです。私も体験しました。まずは、強度20%の痛みです。

じっと立っているだけでも…

<奈良女子大学工学部 佐藤克成准教授>
「では、いきます」
<山口駿平記者>
「う、なるほど…」

腹筋が振動するような痛みでした。

<佐藤准教授>
「次に40%です」
<山口記者>
「痛い!いたたた」

最後に、強度80%。

<山口記者>
「いたたたたた」

痛みの中で立ち上がってみたところ、じっと立っているだけでもしんどいのです。私が悶絶した強度80%のこの痛みは、女性の半分以上の人が日頃、感じている痛み。これを超える100%の痛みも、5人に1人ほどが感じているということです。

<奈良女子大学工学部 佐藤克成准教授>
「女性の方が体験されると淡々と『はい、痛い痛い』というように平然と体験されるんですね。そういう意味で女性は普段からこの痛みを感じているという印象は受けます」

この状態で家事や仕事をしてみましたが、とても耐えられませんでした。生理の辛さとは「男性が体験すると悶絶するほどの痛み」が私としての回答です。

次に、街の女性に「生理痛で辛い時、男性に何をしてほしいか」とアンケートしました。

▼温かい水や甘いものを持ってきてほしい、
▼出血があること自体の面倒臭さを知ってほしい、
▼黙って何もしないでほしい、といった声が聞かれました。

今回、私は生理の症状のうち、腹痛のみを体験しましたが、ほかにも「頭痛」や「イライラ」など、その種類や重さは千差万別です。産婦人科医の木村聡医師は「男性が女性にとって生理とはつらいものと理解して、『何をしてほしいのか?』 『何をされたくないのか?』についてしっかりとコミュニケーションをとり、一緒に考えることが大事。ただ、『話したくない』という人もいるので慎重な対話が求められます」と話しました。

© 静岡放送株式会社