毎年、大掃除の時期になると掃除の対象の一つになるエアコン。普段はなかなか手が回らず、たまった汚れが気になるという人も多いはず。
でもいざエアコンを掃除するとなると、フィルターの汚れを取る以外の方法はわかりにくいものです。
そこで今回は、三菱電機株式会社 空調冷熱システム事業部のエアコンのプロ、久田優美さんに、エアコンの自分で掃除していい箇所・ダメな箇所やエアコン掃除にまつわるNG行動をはじめ、エアコンクリーニングを出す基準やプロがやってる掃除方法のコツをうかがいました。
エアコンの自分で掃除していい箇所・ダメな箇所
エアコンの自分で掃除していい箇所とダメな箇所とは?
久田優美さん(以下、久田)「エアコンの自分で掃除できる箇所は、前面パネル(本体カバー)、フラップ(吹き出し口の羽)、フィルターの3箇所です」
久田「エアコン内部の熱交換器やファンの掃除は、プロによるエアコンクリーニングが必要なので、自分で行うのは避けましょう。
自分で行うと、誤った洗浄方法を行ってしまう可能性があり、それによって内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障などを引き起こすことがあります。
むやみにエアコン内部を濡らすと、予期せぬ故障や事故につながる可能性もあり、最悪の場合は発火の恐れもあるので控えてください」
エアコンの自分で掃除できる3箇所の正しい掃除方法
自分で掃除していい3つの箇所の、正しいお掃除方法を教えていただきました。
前面パネル(本体カバー)の掃除方法
1.前面パネルを取り外します。
2.水洗いをします。
3.やわらかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でよく乾かします。
吹き出し口・フラップの掃除方法
やわらかい布でから拭きや水抜きをします。
フィルターの掃除方法
1.一番簡単な方法
掃除機でフィルターのホコリを吸い取ります。
2.次に簡単な方法
水洗いをします。やわらかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日でよく乾かします。
3.ホコリが取れない・汚れがひどい場合の方法
台所用中性洗剤を使用量の目安(水1リットルに対して0.75ml)まで溶かしたぬるま湯で洗いましょう。(※使用量の目安はエアコン製品や洗剤によって異なります。)
久田「汚れが特にひどい場合は、スポンジで優しく拭き取ることをおすすめします。水でよくすすいで洗剤を落としましょう。やわらかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でよく乾かしてください」
エアコン掃除のNG行動3選
エアコンを自分で掃除する際には、やってはいけないNG行動があるのだそう。次の行動は避けましょう。
1.エアコン全体に消臭剤などを吹きかける
久田「エアコンに向かって消臭剤や抗菌剤などは吹きかけるのは控えてください。電子基板や室温を検出するセンサー部が故障したり、熱交換器が腐食して暖房の効きが悪くなる可能性があります」
2.前面パネルを無理に取り外す
久田「前面パネル(本体カバー)を取り外すときに、無理な力を加えないようにしてください。故障の原因となります」
3.フィルターを強くこする・熱湯で洗う
久田「フィルターの汚れが落ちないからといってブラシやたわしで強くこすると破損する恐れがあるので控えましょう。また約50度以上の熱湯で洗うのは避けてください。変形することがあります。乾かすときに直射日光や火に当てるのはやめましょう。
知っておきたいプロのエアコン掃除術
ところで、エアコンの掃除できない箇所は、プロに任せることに。依頼の目安が気になりますよね。
三菱電機では「くらトク」というエアコンクリーニングサービスを提供しています。その担当者に担当者によると、できれば1年に1回、少なくとも2〜3年に1回はプロによるクリーニングがおすすめだそう。(あくまで目安。エアコンの使用師度・使用段現によって異なる)
プロは、どんな風に掃除するのでしょうか? 担当者に教えていただきました。
担当者「エアコンクリーニングサービスでは、エアコン清掃の前に、動作確認などエアコンの状態を十分に確認した後、前面パネルやフィルター、外装パネルを外し、エアコン内部を洗浄します。
エアコン内部には業務用途の洗浄剤を使用し、洗浄用噴霧器で洗い流します。外した前面パネルやフィルター、外装パネルについても、お客様宅の浴室や洗面所等をお借りし、きれいに水洗いします」
三菱電機では、洗浄後に出る廃液は、お客さんの家では処分せずに専用の容器で回収して持ち帰り、事業所にて中和処理を行った上で適切に処理しているそう。
長年使っているエアコン内部の汚れが気になる人は、プロにエアコンクリーニングを依頼するのも良いかもしれません。
エアコンの正しい掃除術をご紹介しました。とても簡単なので、今年の大掃除の際には、取り組んでみてくださいね。
【取材協力】久田 優美さん
三菱電機株式会社 空調冷熱システム事業部
入社以来、家庭用エアコンをはじめ業務用エアコンまで幅広く担当、その結果、外を歩けば自然と室外機が目に入る体質に。現在は、テレビやWEBメディアを通じて、エアコンに関するお役立ち情報を発信している。
(ハピママ*/ 今村 梓)