映画監督・押井守がYouTubeを語り尽くす書籍が発売

御年72歳の映画監督・押井守氏が新しいメディア・YouTubeについて語り尽くす書籍「押井守のサブぃカルチャー70年 YouTubeの巻」が、本日12月28日に発売された。

書籍は、「TV Bros.WEB」で好評を博した連載に加筆して構成。「YouTubeという窓を通して、現代社会のあり方が分かるようになった」と語る押井氏が、“今”が凝縮した動画を視聴しながら気づいたその面白さ、そこから垣間見えた現代社会の状況、今を生きる人にとっての“幸福論”について大いに語り、YouTubeというメディアの全貌に迫っている。

「YouTubeとは言ってみれば窓がズラリと並んだ集合住宅か、窓が無数にうがたれた長い通路のようなものなのですが、ほかの『窓=メディア』との違いは何かと言えば、その窓の中に個々の風景だけでなく、こちらを覗いている個人の顔、あるいは『中の人』と呼ばれる仮想の人々の顔がうかがえることなのです。この本は『窓の中の顔』『中の人』たちとの出会いの物語であり、コロナを挟む数年の間、僕の世間への興味を繋いでくれた匿名の人たちに関するリポートでもあります」(本書「はじめに」より)

構成・文は映画ライターの渡辺麻紀氏が担当。カバーイラストは、人気アニメーター&監督の梅津泰臣氏が描き下ろしている。

【本書の内容】

・はじめに
・いまの社会が凝縮された「Fラン大学就職チャンネル」
・Fラン大学出身というリアリティと努力で引き込む「ナカイドの実写 / Fラン友の会」
・幸福論として完結している「たっちゃんねる」
・低予算でいかに幸福感に浸れるか?の実践者「ニカタツBLOG」
・インド惚れした気持ちが込もっている「今日ヤバイ奴に会った」
・映画を観るツボ押さえてます「映画日和」
・YouTubeを足掛かりにハリウッドデビューも夢じゃない 短編自主映画の話
・これがVチューバーの究極の在り方!? 「あおぎり高校 / Vtuber High School」
・閑話休題 サッカーの話
・言葉は字幕になると、説得力が生まれる――テロップとナレーションの力
・専門家のオタクっぷりにワクワクする「〇〇のプロと行く ゲームさんぽ by ライブドアニュース」
・東京的現実に生きている人に見てもらいたい 台湾のバイクチャンネルたち
・吹き替えのうまさ、巧みな脚本で笑いを追求する「六丸の工房」
・ゲームは上達しないけど、めげることなく続ける姿に情が移った「ももじオンライン」
・独自の美意識とプレイスタイル「M4ya qq」
・銃器とともに生きることを計画し、実践した人「NHG:中の人げぇみんぐ【実銃解説】」
・歴史の扱いを心得ている「アイザックZ – IsaacZ」
・おわりに

【プロフィール】

押井守(おしい まもる)
映画監督。1951年生まれ。東京都出身。77年、竜の子プロダクションに入社。スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に「うる星やつら オンリー・ユー」(83年)、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(84年)、「機動警察パトレイバー the Movie」(89年)、「機動警察パトレイバー2 the Movie」(93年)。「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」(95年)はアメリカ「ビルボード」誌セル・ビデオ部門で売り上げ1位を記録。「イノセンス」(04年)はカンヌ国際映画祭コンペティション部門に、「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(08年)はヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品された。16年にウィンザー・マッケイ賞を受賞。構成・脚本を務めたWOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」第2シーズンが24年1月14日から放送・配信開始。

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