逮捕4度目…「見られたくない物あったから」ガソリンまいて部屋ごと燃やした男 同じアパートに複数人いる状態で セルフ式スタンドに何度もガソリン買いに行っていた

男を4度目の逮捕 自宅放火の疑い=戸田市

 10月31日、埼玉県蕨市の蕨郵便局に拳銃を持った男が女性局員2人を人質に約8時間立てこもり、逮捕された事件で、蕨署特別捜査班は27日、戸田市の当時住んでいた自宅アパートに火を付けた現住建造物等放火の疑いで、住所不定、無職の男(87)を再逮捕した。逮捕は4度目。男は「警察に捕まった時に見られたくない物があったから燃やした」と供述。県警は、詳しい動機を今後の取り調べで追及していく方針だ。

 再逮捕容疑は10月31日午後0時57分ごろ、戸田市新曽の自宅アパートに火を放ち、全焼させた疑い。調べに「ガソリンをまき、火を付けた」と容疑を認めているという。

 県警によると、アパートは木造2階建てで1、2階にそれぞれ4部屋ずつあり、男を含めて1階2部屋、2階2部屋に居住者がいた。出火時、ほかに3人が在室していたが、負傷者はいなかった。

 県警は11月2~10日に現場検証を実施した結果、火元は1階の男の部屋と判明。焼失面積は約160平方メートル。鉱物油反応があったことからガソリンをまいたとみている。ガソリンは戸田市内のセルフ式スタンドにバイクで複数回来店し、ポリタンクに入れて購入したことが確認されている。

 男は、自宅に放火した約15分後に同市の戸田中央総合病院で路上から診察室に向け拳銃1発を発射し、診察中の男性医師(49)と男性患者(62)の頭部に約3週間のけがを負わせた。その1時間後には病院から北に1.5キロ離れた蕨郵便局に女性局員2人を人質に立てこもった。

 県警は人質強要処罰法違反や警戒に当たっていた複数の警察官へ発砲した殺人未遂容疑、病院を銃撃した殺人未遂の疑いなどで、これまでに3度逮捕。一連の事件を起こした動機の解明を進めている。

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