日本企業の賠償、再び確定 徴用工訴訟、日立造船は初

韓国最高裁へ向かう原告ら=28日、ソウル(共同)

 【ソウル共同】韓国最高裁は28日、日本統治期に強制労働させられたとして、元徴用工や元朝鮮女子勤労挺身隊員らが三菱重工業と日立造船に損害賠償を求めた訴訟計3件の上告審で、両社の上告をいずれも棄却した。両社に賠償を命じた一、二審判決が確定した。同種訴訟では、これまでに三菱重工と日本製鉄(旧新日鉄住金)に賠償を命じる判決が確定済みだが、日立造船への確定判決は初めて。

 日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場。韓国政府は新たに勝訴が確定した原告について、今年3月発表の解決策に基づき、政府傘下の財団が賠償を肩代わりする方式で対応する方針だ。

 28日に判決が言い渡されたのは、広島に動員された元徴用工らと名古屋の軍需工場で働いた元挺身隊員らが三菱重工にそれぞれ損害賠償を求めた2件と、大阪に動員された元徴用工が日立造船を訴えた1件。

 最高裁は、元徴用工らの慰謝料請求権は請求権協定の適用対象外だと改めて指摘。請求権の消滅時効が成立したとの企業側主張を認めない判断も改めて示した。

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